佐野玲於の自分らしく生きるルール「目標や理想は、あればあるほど遠のくもの」
佐野玲於の自分らしさ「気になったらとことん追求します」
あらためて三島という人物像を俯瞰すると、記者としてもっと上に行きたい、認められたいという向上心が強いように見える。ポンコツで、ピュアで、記者魂と根性に支えられている三島。それが彼らしさだとすると、佐野自身が思う「自分らしさ」とは何なのか。 「好き嫌いはハッキリしてるかもしれないですね。興味が持てないことにはどうしたって没頭できない。少しでも興味が持てれば、人の些細な言葉でもビックリするくらい覚えていたり、自分で調べたりします。それらを分ける基準は自分でもわからないんですけど、無意識のうちに選択しているのかも」 たとえば医者と会話をしているとき、普段は触れないような医学の話でも、興味がわけばその場で調べたり、気になったものは買ったりすることが多いという。悩むことはあまりなく、趣味嗜好も直感で選びとる佐野の姿勢は一貫している。例え話として「医者との会話」を挙げるあたりも、彼の交友関係の広さが感じられる。 「ちなみに、いまいちばん興味があるのは日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』です。ちょうど『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』にも出演している二宮和也さんが主人公なんですよね。だから、というわけじゃないんですが、たまたま帰宅してテレビをつけたら第1話が放送されていて、見入っちゃって。めちゃくちゃおもしろいので、最終回が待ち遠しいです(※取材日は9月初旬)」
何もないのも、自分らしさ
直感を重んじ、自分が楽しいと実感できる人や場所を重視する佐野。しっかり自分らしさに向き合う彼が演じるからこそ、三島というキャラクターにも一本の芯が通っているように見える。自分らしさを見つけ、理想の自分に近づくために必要なこととは何なのか? と佐野に問いかけると「自分ってなんなんですかねえ」と戸惑いながらも、彼らしい言葉で答えてくれた。 「こうなりたい、ああなりたいっていう理想があればあるほど、遠ざかっていくものだと思うんですよ。自分も、まだまだだな、と思いますし。でも、目標や理想を見つけてはクリアしていく、その繰り返しですよね、人生って。その経験が積み重なっていくことで、自分が構築されていく」 でも、目標や理想をつくらず、あえて何もしないっていうのも自分らしさになるんじゃないですか、と佐野は続ける。 「アイツほんと何もしないな、って周りから言われて『何もしないヤツ』として覚えられる。それも自分らしさですよね。役所広司さん主演の映画『PERFECT DAYS』(2023)を観たときも、何事も起こらない普通の日常に小さな幸せを見出す、あの特別さが答えだよな、って思いました。あまりに大きなものを求めて、高いところを目指しすぎると、生きることに満足感を得られなくなる」 世のなかは、ときに無理やり、目標や理想を形成させようとする。これをしないと将来危ないですよ、これを手に入れないとダメになりますよ、と不安を煽る要素で埋め尽くされている。不要な焦りでどんどん追い立てられ、心は萎縮していくばかり。佐野は「だから、少しくらい何もせず、ぼけ~っとしているくらいでちょうどいいんじゃないかな」と、肩の力を抜いて生きる道を示してくれた。 「若い子たちのあいだでも多いですよね。痩せないと! って過度に運動したり、食事制限したり。クラスのみんなと同じじゃないと! って焦って、流行っているものをとりあえず真似して買ったり。そんなに焦らなくてもいいと思うよ、って伝えたいです」 取材・文:北村有 撮影:映美 ヘアメイク:寺本 剛(JYUNESU)、TAKESHI TERAMOTO(JYUNESU) スタイリング:吉田ケイスケ <番組情報> 『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』 11月7日(木) よる11時 ABEMAで無料放送スタート! (C)AbemaTV,Inc.