“キング”・森岡薫も早速復帰弾!4年ぶりの開幕戦勝利!町田・伊藤圭汰「去年のベースがあるところに、経験のある選手が入ってきてくれたことはすごく心強い」【Fリーグ第1節|記者会見/町田vs大阪】
6月2日、町田市立総合体育館にてFリーグ2024-2025ディビジョン1の開幕戦が行われ、ペスカドーラ町田とシュライカー大阪が対戦。町田が7-1で勝利した。 2020-2021シーズンのY.S.C.C.横浜戦以降、開幕は黒星スタートが続いていた町田。 今シーズンはFリーグ界の“キング”こと森岡薫やスペインリーグに挑戦していた毛利元亮、ベテランストライカーの本田真琉虎洲の復帰に加え、育成組織から有望な若手がトップ昇格しタレントぞろいで臨んだこの開幕戦で、その隙のない強さを体現してみせた。 試合開始からわずか33秒で奪ったクレパウジ・ヴィニシウスの先制点に続き、野村啓介、伊藤圭汰が前半のうちから追加点を奪うと、13分には森岡のアシストから毛利元亮が復帰ゴール。さらに20分には2アシストした森岡が第2PKを沈め、第1ピリオド終了時点で5-0に。第2ピリオドにはパワープレーから1点を返されるも最後は7点まで得点を伸ばし、ホームアリーナで4年ぶりの開幕先勝利を飾った。 試合を終え、小川亮監督代行と伊藤圭汰が記者会見に出席した。
この2週間で「大人になった」
●ペスカドーラ町田|小川亮監督代行 ──試合を振り返って。 まずは開幕戦勝利することができて良かったです。3年連続で勝つことができていませんでしたが、今日しっかり勝ち点3を取ってくれた選手たちには感謝していますし、プレシーズンで準備してきたものやここに懸ける思いをピッチの上で体現してくれて、いい開幕戦になりました。それだけではもちろんないですが、若いメンバーの勢いとベテランの経験値がうまく融合している今の状態をさらに高めて、ひとつずつ勝ち点を積み上げていければこの先もいい結果がついてくるのではないかな、と。「開幕戦で勝てない」というネガティブな要素を払拭する頼もしいプレーを見せてくれましたし、今後も期待してもらえる試合になったと思います。 ──オーシャンカップ決勝での「2.6秒での敗戦」が、こんなにもチームを強くするんだなと感じられた試合でした。相手の良さも消しつつ、積み上げてきた自分たちの狙いも出せていたように見えましたが、チームとしての実感はどうですか? オーシャンカップでも優勝を逃してしまい、この開幕を迎えるまでの間も選手たちは悔しかったという話をずっとしていて、「あの負けからどうしていくか」というコミュニケーションを取っていたことも見てきました。選手それぞれがこの2週間で「大人になった」というか。いい学びになったのかなと思います。 ベンチから今日の試合を見ていても、一人ひとりが責任感をもって「自分がやるんだ」という意識がこれまで以上に出てきたのかなと感じました。それが、チーム内だけではなくスタンドで見ているみなさんにも伝わったのんじゃないかな、と。僕がこの場で評価するのもちょっと変ですけど、彼らの成長ぶりは本当にすごい。昨シーズンの1年と今年のオーシャンカップでの敗戦は、選手たちにとっては懸けてきたものすべてが失われてしまったような苦しい現実だったんじゃないかと思いますが、それを今年で取り返すことを期待しているし、僕もその手助けが少しでもできればなと思います。 ──三宅悠斗選手をパワープレーの守備に入れていましたが、追加点をさらに奪うことを期待しての起用だったんでしょうか? そうですね。練習でも彼をメンバーに入れていて、あのポジションをこなす力を持っている選手だと思っています。僕が出す時間を少し減らしてしまったんですが、あともう1本、2本出ていたら何かを起こせていたかもしれない。そういうタレントを持っているので使いました。 (パワープレーの守備時に)前をできる選手が元亮、三宅、イソ(礒貝飛那大)、薫もおそらくできるので、去年まで髙橋(裕大)の1枚しかいなかったところから、オプションがかなり広がりました。ポテンシャルのある選手が入ってきて、そこを育てていくという意味でも使ってきましたし、彼もぼそっと「狙っていたんだけどな」と言っていたので次回またいい結果を出してくれるはずです。 ──先発した土岡優晟選手は、再三のシュートを抑え1失点に留めていました。ここ数年開幕でピッチに立つ機会も多かったですが、勝利に貢献した彼の成長をどう感じていますか? みんなにも声をかけて練習からいい雰囲気をつくってくれますし、昨シーズンあまり試合に出れなかった悔しさがありながらも、地道に努力を重ねてオーシャンカップもこの開幕戦もピッチに立ってしっかり守ってくれました。常に前向きな姿勢はずっと見てきていますし、安定感も出てきてあれだけ止めてくれたのはもちろんうれしいです。ただ、ちょっと厳しい言い方をすればあれくらいできるポテンシャルをもっている選手だということもわかっているので、今日もセーブに関しては、実力どおりにいい部分が出たのかなと思います。 ただ課題もまだいくつかあるので、そこはしっかりと伝えてよりいいプレーができるように努力を重ねてくれれば、今後もっとよくなっていくんじゃないかなと期待しています。 ──先ほど話にも出た三宅選手は、オーシャンカップから大活躍しファン・サポーターの方の期待もかなり高まっています。あまりコーチ陣の方から話を聞く機会がなかったので、改めて彼がどんな選手なのか教えてください。 フットサル経験は非常に少ない選手なんですが、競技を学ぶ姿勢、吸収力が非常に高い選手です。キャプテンやベテランにも自分から積極的に話を聞きに行きながらアドバイスを素直に取り入れているので、もっともっと良くなると思います。ゴールへの嗅覚という点では感覚的なものをもっていて、どこに立っていればボールが来るだろうなとか、どこにいれば自分が点を取れるのかなということを、常に狙っている選手ですね。 体もそこまで大きくはないですけど推進力のある選手で、ピヴォに入った時はボールを受けるというよりかは、がちゃがちゃつぶしに来るようなチームからするっと抜け出して裏をとって抜け出すようなタイプですが、この動きも経験をたくさん積んでいけばもっと点が取れる選手になるはずです。今日の出来も満足しておらず、ゴールできなかったことについて本当に悔しそうにしていたので、またさらに期待感を膨らませてくれる選手だなと思います。 ──選手層もかなり厚くなっている印象ですが、チーム内の競争やメンバー選考という点についてはどう考えていますか? メンバー選考は本当に大変なんですけど、うれしい悩みですね。メンバー入りが約束されている選手はいないし、誰が序列が上とか下とかそういうことではなく、今「ペスカドーラ町田のトップチーム」としてういう競争をして、次の試合のメンバーに入っていくのかが大事です。選ぶほうは非常に難しいですけど、選手たちは健全な競争から、ポジションを勝ち取ることを考えてほしい。 全員仲はいいけど、選手ならば心のどこかでは「負けたくない」という気持ちをどこかでもっているはずなので、そこからさらに一人ひとりがレベルアップできるように僕らは彼らの競争と成長を促していく。そうすれば、「毎回決勝戦という気持ち」で戦える集団になれるんじゃないかなと思います。