神田愛花の“王道”「自分がしたいと思うことを楽しむ」ねたみ繰り返したNHK時代から変化
フリーアナウンサーの神田愛花(44)が仕事の幅を広げている。7月に初のエッセー本「王道っていう道、どこに通ってますか?」(講談社)を出版。念願だったという執筆業に挑戦し、売上も好調。新境地を開拓した。仕事面の充実の秘けつを「人の王道を行かなくてもよし!」と明かす神田アナ。他人と比べない自然体思考の極意を語った。 【写真】自然体の笑顔を見せる神田愛花 ◇ ◇ NHKからフリーへの転身直後の3年間は「惜しい」「あとちょっと」の連続だったという神田アナ。今では「トップをとる!」という志向を捨て、自分なりの“王道ポリシー”で、日々の業務に取り組んでいる。 「自分がしたいなと思うことを楽しむ。誰かとの比較ではなく、自分のできる最大限のところまでやる。それは仕事でもプライベートでもそうです」 23年には「ブレイクタレント」1位に選ばれた。今でこそ軌道に乗っているが、それまではどうだったか。「自分の中で王道を一つ外れたところに導かれるというか、そういう人生を送ってきたんです」。NHKアナ時代、目標の一つに紅白歌合戦の司会者を掲げたものの、ラジオ実況止まりだった。希望のニューヨーク支局勤務も叶わなかった。出演したい番組を別のアナウンサーが担い「人へのねたみみたいなことの繰り返しでした」と振り返った。 日々の自問自答で考え方が変わってきたのが40歳。「人をうらやむことがあまりにも多すぎて、気持ちが健康でなくなっていると思ったんです。うらやましいと思う部分はその人の魅力で、私にはその部分で実力がないと受け入れられるようになってくると嫉妬が消えていったんです。その子たちにない個性を持っていれば、活躍できるんじゃないかと」とうなずいた。 今はどんな仕事にも前向きにプライドを持って取り組む。MCを務める昼のフジテレビ系情報番組「ぽかぽか」では「アナウンサーの役割をしなくていいと言われてますので、やっぱり王道ではないんですよね」と笑う。どんな仕事でも、求められる役割を全うする気概で臨んでいる。 念願の初エッセーは週刊誌「フライデー」での連載を再構成した一冊で「王道の方は女性ファッション誌の連載を持ってらっしゃるけど、フライデーの連載で縛りがないということが逆に王道じゃないかと思ったんです」と独特の発想を口にした。先方のアプローチを前向きに考え、自分なりの“王道”で執筆したことが長期連載につながっている。 背伸びした姿は見せない。それは家庭に戻っても同じ。「40代を過ぎてあんまり仕事をいっぱいにしてしまうと、疲れて家に帰って洗濯、お掃除とか全然できない時があったんですよ。家も汚くなると休まる場所でなくなる。気持ちが穏やかになれる範囲内でお仕事をちゃんとやらないといけないですね」。 今後の着地点、目指すゴールを「安藤優子さんのような帯の報道番組を一人で切り盛りできるアナウンサーになることが目標です」と見据える。そのための努力は怠らない。毎日、ペットボトルに水を入れてストローで息を吐く声帯強化トレーニングを欠かさず「喉の強さは相当パワーアップしました」と手応え。20代、30代の時のように他人と比べようとしない。背伸びをせず、コツコツと自然体の努力で、王道を歩んでいく。 ◆神田愛花(かんだ・あいか)1980年5月29日生まれ、神奈川県出身。学習院大理学部卒。大学3年生時には準ミス学習院に選ばれ、03年にNHKに入局。08、09年NHK紅白歌合戦のラジオ実況を務める。12年にフリー転身。22年に日本テレビ系「スッキリ」や23年からフジテレビ系「ぽかぽか」に出演。趣味はゴルフ、歌舞伎鑑賞、海釣り。資格は一級小型船舶操縦士。O型。夫はお笑いコンビ・バナナマンの日村勇紀。