木村弥生・前区長に有罪判決 東京都江東区長選めぐる公選法違反事件
昨年4月の東京都江東区長選をめぐる事件で、公職選挙法違反(買収、有料ネット広告)の罪で在宅起訴された前区長・木村弥生被告(58)の判決が14日に東京地裁であり、鎌倉正和裁判長は懲役1年6カ月、執行猶予5年(求刑懲役1年6カ月)を言い渡した。 【写真】握手を交わす柿沢未途氏と木村弥生氏 事件では区議ら計9人が立件され、7人が公判請求された。判決が出るのは3人目で、同法違反の罪で起訴された前法務副大臣の柿沢未途前衆院議員(53)と柿沢前議員の元私設秘書(38)は有罪判決が確定している。 判決によると、木村前区長は、区長選の投票とりまとめの報酬として選挙後の2023年6月、元区議に現金100万円を提供。また、柿沢前議員と共謀して、選挙中に投票を呼びかける有料のネット広告動画を約38万円でユーチューブに掲載した。 前区長は元区議への現金提供について、落選した元区議を経済的に支援したかったと主張したが、判決は「元区議が(区長選で)選挙運動をしたことに伴う損失の補塡(ほてん)で、選挙運動に関して現金を供与したという点で変わりはない」「選挙の公正を害するもので厳に慎むべきだ」などと批判した。 有料ネット広告の掲載については「適法性を検討すべきだったにもかかわらず、共犯者(柿沢氏)を安易に信頼したのは軽率」と指摘した。 前区長は自民党の元衆院議員で、23年4月の区長選で自民前都議ら新顔3人を破って初当選した。だが、東京地検特捜部による区長室などの家宅捜索を受けて同年11月に辞職。今年1月に在宅起訴された。(藤牧幸一)
朝日新聞社