萩原利久、意識するのは「自分の言葉で発信する」こと 『朽ちないサクラ』では“クリーンさ”をテーマに
――杉咲さんとの共演は映画『十二人の死にたい子どもたち』以来5年ぶりとなりますが、当時と比べて印象は変わりましたか。 僕らの世代の中では飛び抜けている方だという印象は当時から変わらないです。またぜひご一緒したいと思っていたので、今回機会に恵まれてすごく嬉しかったですね。なかなか得られない刺激が多い方なんです。 ただ、前回の共演では役的にほとんど話せていなくて、今回が実質初共演のような感覚でした。なので初めて会ったときも「久しぶり」よりは「はじめまして……」みたいな空気感だったと思います。
――移動の車内で会話するシーンが何回か出てきましたが、2人の絶妙な距離感が表れていて、とても良かったです。 特別なことは本当に何もしていなくて、待ってる間に世間話をしていたくらいです。昨日何食べたかとか(笑)。あとは『十二人の死にたい子どもたち』の話なんかもしていました。本番中の緊迫感は全然なく、ざっくばらんに話せていたことで泉と磯川の関係性が出せていたなら良かったです。 ■SNSでの発信は「自分の言葉で100%伝えたい」 ――組織内部の闇や人間関係がクローズアップされる本作ですが、今回の役を通して萩原さんご自身のものの見方や捉え方が変わったことはありますか。 この作品自体が、まさに現代の社会を表している印象があって。特殊な事件を扱っているけれど、作品に描かれている人々の考え方やスタンスは自分たちからそう遠くない部分にあると思うんです。 起きた事件は1つだけど、いろんな立場や考え方の人の視点がそれぞれ描かれていて、それが見えるのはすごく現代っぽい。今SNSも発達して誰もが情報をたやすく得られる時代になった分、ニュースの見出しをちょっと見ただけで中身を知ったような気になってしまいやすいところがあると思っていて。1つの事実に対していろいろな見方があって立場があることを考えるってすごく大事だと、改めて感じるようになりました。