FRBが金利据え置き 利下げ開始は12月、年内1回のみの予想に
米連邦準備理事会(FRB)は6月11─12日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25─5.50%に据え置いた。最新の金利・経済見通しでは年内に1回の0.25%ポイントの利下げ実施が想定され、利下げ着手は12月になる可能性が示された。3月には年内3回の0.25%ポイントの利下げが想定されていたが、今回の予想では、11月5日の米大統領選挙前に利下げが行われる可能性はほぼなくなった。 パウエルFRB議長 「インフレの上昇は特に食料、住宅、交通など生活必需品の高騰に最も影響を受ける人々の購買力を低下させ、大きな困難を強いる。 米国の金融政策には、国民のため雇用の最大化と、物価安定という2つの使命がある。これらの目標達成に向け、FOMCはFF金利の誘導目標を5.25─5.50%に据え置き、保有証券の削減の継続を決めた。 この1年で、労働市場は需給が均衡。一方、インフレは低下したため雇用と、インフレ目標の達成とのバランスは改善している。 ただ、経済見通しは不透明であり、インフレリスクには引き続き細心の注意を払っている。 インフレ率が2%に向けて持続的に低下しているとの確信が一段と深まるまで、FF金利の誘導目標を下げるのは適切ではないと考える。今年、現時点の統計からはその確信は得られていない」