【特派記者・辻村明志のオーガスタレポート③】DCP2024決勝大会で見た大人顔負けの米国ジュニアのスゴさ。ショットは“構え”、ショートゲームは“洞察力”!
上田桃子や吉田優利、渋野日向子らを指導する辻村明志はゴルフダイジェスト社のマスターズ特派記者として、現地入りしている。その辻村が現地時間の日曜にオーガスタナショナルGCで実施された「ドライブ、チップ&パット」全国決勝を取材。その模様をレポートする。
“DCP”とは“ドライブ・チップ&パット(Drive, Chip and Putt)”の略で、マスターズと全米プロゴルフ協会(PGA・オブ・アメリカ)、全米ゴルフ協会(USGA)が共同で実施する無料の青少年ゴルフ育成プログラムで、ゴルフへの生涯にわたる興味を引き出すことを目的としている。7歳~15歳までのジュニアゴルファーを4つの年齢カテゴリーに分け、計80名がオーガスタナショナルGCでの全国決勝に参加した。なお、このDCPに参加したことのある女子アマの9名が先週末のオーガスタナショナル女子アマチュアに出場している。
マスターズ週直前の日曜日に開催されたDCPを訪れ、ジュニアゴルファーのショットやアプローチを見ていた辻村が「この年から完ぺきなんだ。すごいなぁ」とボソリ。そこで何がすごいのか、聞いてみた。 GD アリエル・コリンズという14歳の女の子の記録が264.8ヤード!? すごいですね。 辻村 ただただ驚くばかりです……。でもそれよりすごいのが、こっちのジュニア選手たちは“打つ前の雰囲気”がすごくありますよね。クラブをくるくる回しながらアドレスへ入っていく所作が、もう子供じゃない。 GD たしかに打つ前のルーティンがプロみたい。 辻村 ショットに入るまでの流れがとても良いですね。レッスンの世界では時折、打つ場所を「ショットボックス」、ボールの後ろを「シンキングボックス」と呼びますが、こっちのジュニア選手はシンキングボックスでの時間の使い方がとても上手い。年齢は低くてもそこが確立されているから、ショットボックスに入ってからがスムーズに動けています。 GD 日本のジュニア選手と比べると? 辻村 正直、球を打つ能力に関していえば、日本人選手も負けていないと思います。ただ、構えの姿勢作りといった“構えの技術”は、やはりこっちの選手のほうが上に感じます。 GD 構える技術、ですか。 辻村 はい。どの選手もセットアップがパラレルに決まっています。ひざや足、胸、肩、目線がターゲットに対して気持ち良く、スッと立てているのでナイスショットを打つ確率も高い。上手い人って打つ前にわかりますよね? GD たしかにどういう球を打とうとしているのか、打つ前からわかりますね。ちなみに隣のアプローチレンジではチッピングの競技が行われていますが、そちらに関しては?
【関連記事】
- 「ドライブ、チップ&パット」って何!? マスターズ開幕前のジュニアの祭典【2023マスターズ現地レポ】
- 【特派記者・辻村明志のオーガスタレポート①】「オーガスタは子どもの頃から1度は行きたいと思っていました」(辻村)
- 【特派記者・辻村明志のオーガスタレポート②】オーガスタ女子アマのアテスト直後の六車日那乃を直撃! 「日那乃は後半、下半身が積極的に動けばパープレーで回れたはず」(辻村)
- ガッツポーズで「左肩脱臼」!? 前代未聞のハプニングにも負けず、アクシャイ・バティアがプレーオフを制して優勝。マスターズ最後の切符を獲得
- キャリアグランドスラムに向けブッチ・ハーモンと調整をおこなったマキロイ。悲願のマスターズ制覇はある?