⚽ジュビロ磐田 J1残留に望みつなぐ逆転勝利 FC東京に2-1 J1第37節
明治安田J1リーグは30日、各地で第37節が行われ、18位の磐田はホームでFC東京に2-1で逆転勝利し、J1残留へ望みをつないだ。 【写真】引退の山田 万感セレモニー ■ヤマハ(磐田1勝1分け)▽観衆13950人 磐田 10勝8分け19敗(38) 2(0―0 2―1)1 FC東京 14勝9分け14敗(51) ▽得点者【磐】マテウスペイショット(7)山田(PK)(4)【F】安斎(4) 【評】磐田はFC東京に逆転勝ちした。 前半はブロックを組んで好機を待った。高畑、ジャーメインがカウンターからシュートを狙ったが、枠を外した。相手のセットプレーからピンチを招いたがしのぎ、スコアレスで折り返した。 後半8分、CKの流れから押し込まれて先制点を奪われた。だが、35分に上原のFKをペイショットが頭で合わせて同点。さらに44分には山田がPKを決めて土壇場で勝ち越し、逃げ切った。 ■4試合ぶり白星 引退表明の山田主将が勝ち越しPK 降格圏18位の磐田が土壇場で息を吹き返した。終盤の10分でセットプレーから2点を奪いFC東京を逆転。連敗を3で止める4試合ぶりの勝利は、ヤマハスタジアムで実に6月26日の東京V戦以来の白星だ。大逆転でのJ1残留に向け、最終節に望みをつないだ。 勝ち越しの立役者は引退を表明したMF山田主将だ。同点で迎えた後半44分。獲得したPKを利き足ではない左足で落ち着いて右隅に突き刺した。「人生で一番緊張した。外して引退するのは嫌」。ちゃめっ気たっぷりに振り返ったが、14年間のプロ生活の技術が詰まった一撃だった。 山田に憧れるMF上原も、途中出場でふわりと浮かせる技ありのFKを見せてFWペイショットの同点ゴールをお膳立てした。「引き分けや負けで終われない。最後(山田に)花を持たせたかった」と気持ちの入ったプレーでもり立てた。 二つのセットプレーを獲得したのは、途中出場したMF藤川の果敢な突破とシュートがあったからこそ。なかなか試合に絡めなくても腐ることなく練習試合で結果を出し「今は泥くさく熱く戦う選手が必要」と胸を張る。 命拾いしたとはいえ、残留のためには最終節で最下位の鳥栖に勝利した上で16位柏、17位新潟が敗れ得失点差で逆転しなければならない。「2点差以上で勝ち、何が何でもJ1残留をつかみ取りたい」と山田。最終節はチーム一丸となって攻め続けるしかない。 ■万感セレモニー 山田「幸せなサッカー人生」 国内では磐田一筋12年間プレーし、今季限りでの現役引退を発表したMF山田主将(藤枝東高出)は、ホーム最終戦となったFC東京戦後に行われたセレモニーで「小さい頃から憧れたヤマハスタジアムで10番を背負って戦えた。幸せなサッカー人生。後悔はない」とサポーターを前に感謝の思いを語った。ともに戦った前田日本代表コーチらから花束を受け取り感極まった。 引退を決断したのは「10日ぐらい前」とした上で理由について「もうJ1で主力としてチームを引っ張る実力はないと感じた。個人で相手に勝てなくなった」と打ち明けた。 ドイツのクラブから磐田に戻った2017年、年齢的に日本代表への復帰も難しく「受け入れきれず、もやもやした時期があった」と振り返る。当時監督だった名波日本代表コーチから「100%クラブのために戦ってくれ」との言葉を受け吹っ切れたという。 今後については「何かの形でクラブとは関わっていきたい。このクラブを良いものにしていく仲間に加わりたい」と述べた。自身が立ち上げた子どもたちを支援するNPO法人の運営との両立を図る考えを示した。
静岡新聞社