「年収103万円の壁」変更で約170億円税収減と試算 熊本市長「地方財政に影響が出ない仕組み必要」
国会で見直しの議論が始まるかどうかが焦点となっている「年収103万円の壁」について、熊本市の大西市長は、引き上げが行われた場合、単純計算で税収が約170億円減るとの試算を明らかにしました。 【写真を見る】「年収103万円の壁」変更で約170億円税収減と試算 熊本市長「地方財政に影響が出ない仕組み必要」 今年10月の衆議院選挙で議席を大きく伸ばした国民民主党。選挙中、玉木雄一郎代表は基礎控除などを103万円から178万円に引き上げることを公約に掲げました。 現状では、基礎控除の48万円と給与所得控除の55万円を合わせて年収が103万円を超えると、所得税が発生します。そのため年収が103万円を超えないように、働く時間を調整する人は少なくありません。 玉木代表は所得税と住民税の非課税枠を178万円まで引き上げることで労働者の手取りを増やす狙いです。一方、控除額が拡大すると、国と地方では合わせて7兆円を超える税収が減る見通しで、地方財政への影響への懸念も広がっています。 熊本市の大西市長は、11月8日の定例記者会見で「年収の壁」が178万円まで引き上げられた場合の熊本市への影響について、こう述べました。 大西一史 熊本市長「約170億円程度の減収に繋がると試算しています」 非課税枠が178万円に引き上げられた場合、熊本市では単純計算で約170億円の減収となる見通しを示しました。 大西市長は「『年収の壁』の引き上げは労働者にとっては働きやすい環境になる」としたうえで、「税収面では地方財政に影響が出ない仕組みが必要」と述べました。
熊本放送