年に数回、欧米やアフリカを豪遊旅行する贅沢ざんまいな生活をマウントとっていると思われずに友人たちと会話したい
40代の専業主婦です。趣味のサークルで知り合った友人4、5人とよくお茶をご一緒するようになりました。気さくな人ばかりで、話が盛り上がるのですが、私と他の人たちとの生活レベルにずいぶん差があることに気がつきました。 私は年に5、6回は欧米やアフリカを訪問。五つ星ホテルに宿泊したり、豪華なクルーズ船に乗ったりして、旅を満喫しています。私にとっては普通のことなので、一度話してみたところ、「ぜいたくな生活マウンティングですか?」などと冷ややかに言われ、その場の空気が微妙になってしまいました。 最近は、海外に行っても「国内旅行をしてきた」とうそをついています。本当のことを話すと、他人には自慢話に聞こえてしまうことに、強いストレスを感じます。うそをつくことなく、素の自分のまま友人たちと話すには、どんな心がけが必要ですか?(ハンドルネーム:びいなす)
一緒に楽しむ感覚を共有しよう
私も両親が芸能人で、昔は2世であることにコンプレックスを抱え、それをひたすら隠したいという気持ちがあったので、びいなすさんの気持ちがすごくよく分かります。 私は映画監督という職業柄、個性と感覚につながって仕事をするので、普段から子どもの社会や感性から学ぶことが多くあります。 最近では「ああ、こういうことができるんだ」と、小学生の娘のスタンスを見て観察しながら、新しい視点を開いてもらっています。彼女を見ていると、友人関係についても、自分が育った世代とは考え方が全然違っていることに気づかされます。 娘の世代は、基本的にみんなとフランクに接する世代で、友人間の格差や価値観の違いという部分を見ておらず、「一緒に楽しめるかどうか?」というところで友達との関係性を築くんです。 大切なのは、一緒に楽しむということで、子どもにとってみての「楽しみ」というのは、その時の感覚を他者と共有することです(一緒に楽しむというのは、感覚的なものを意味します)。子どもたちは経験や肩書、物質的な持ち物や表面的な「モノ」を持っているか持っていないかを比べることはあまりしません。その代わり、一緒にその時を楽しめるという「時間」をすごく大事にするんです。たとえ格差があっても、友情は築けるということを教えてもらいました。 また、私自身は人と比べることや、人からどう思われるかということよりも、自分が幸せかどうかということを大事にしています。幸せかどうかは、お金をかけるかけない、物をどれだけ持っているか、または持っていないかとは関係なく、個々の感覚的なものなので、その幸福感を友人たちと分かち合えればいいのではないでしょうか。 ちなみに以前、娘も「自慢することはあまり好きじゃない」と言っていました。格差という表現をしましたが、娘の場合の「自慢したくない」というのは、「比べたくない」という意味のようで、お友達と自分の「違いを確かめ合うようなことはしたくない」ということでした。人は、同じ幸せなフィーリングを共感し、感性を分かち合うことで、豊かな時間になるんだと思います。生活環境や価値観など様々な違いも素敵な個性として、さらに、びいなすさんの友情が深まることを祈っています。(映画監督 安藤桃子)