二宮和也、仕事場でゲーム「決してうわの空ではない」 “回転数維持”で集中力
■多くの言葉との出合いが「トーク力」高めた
――YouTubeやテレビのバラエティー番組などを見て感じるのは、二宮さんは雑談力がとても高いなということです。トークがとても自然で面白い。X(旧ツイッター)での発信や雑誌連載のエッセーなどでも、言葉の選び方が巧みだなと思います。 「本当ですか。もしそうだとしたら、映画やテレビの台本などで、普通の人より多くの言葉と出合ったことが生きているんだと思います。台本をいただいてから、許されるときは自分なりにセリフを変えることもしてきましたので、あまり考えることなく、言葉が出てくるのかもしれません」 ――今年のスーツ・オブ・ザ・イヤーは、「五感を刺激する」をテーマに、それぞれの分野で功績をあげた方々を選出しました。二宮さんは俳優をはじめ、幅広い分野で多くの人に感動を与えてきましたが、表現活動をする上で何か心がけていることや表現者としてのパフォーマンスを高めるためにしていることはありますか? 「うーん、難しいですね。ひとつ挙げるとしたら、忙しくてもゲームをしていることでしょうか(笑)」
■忙しくてもゲーム 「回転数」を維持
――ゲームがお好きなんですよね。気分転換になっている? 「気分転換というより、ゲームをすることで回転数を維持しておきたいんですね。仕事が重なれば重なるほどずっと『パズドラ』をしています。そっちの方が思いつくことがものすごく多い」 「変な話ですが、時間に追われている状況を作らないとダメなんです。以前はドラマをやって、バラエティーに出て、次はツアーだと、常に時間に追われていましたが、ボクは割とそういう忙しさが苦にならない。むしろそういう回転数が高い状態の方が好き。だからゲームをやって回転数を落とさないようにしているんです。そうしたほうが、実際に現場に行ったときも、すでに心の準備ができている感じになる」 ――ここは休んでおこうというのはないですか。 「ないです。休みをあまり必要としないタイプなのかもしれません」 ――ゲームは、その世界に没入してしまいそうな気もします。 「矛盾していますが、ゲームの世界に入り込めば入り込むほど、何も考えなくていい無の状況になれる。例えばドラマのセリフをガッツリ覚えなくてはいけないときも、ずっとゲームしています。そっちのほうがいろいろ集中できるんです」 ――その感覚はちょっと面白いです。それが自分にとって一番いい環境になるんですね。 「そうです。何も考えていないところに言葉が入ってくると、抜けづらいというか。『覚えなきゃ、覚えなきゃ』と焦っていると、全然入って来ない。打ち合わせのときも、ホワイトボードに向き合ってるよりも、ゲームをしながらのほうが逆にいいアイデアが出てくることもあります。『ちゃんと話を聞いてる?』と怒られることもありますが、ボクとしては決して上の空ではない(笑)」