望海風斗の〈最悪の王妃〉は圧巻!「この緊張感は久しぶり」。共演者の甲斐翔真と、恋人から親子に
◆望海風斗が舞台にかける思い 史上最悪と呼ばれた王妃を演じる望海に対して石井は、「(望海さんは)最悪の王妃なんですけど、最高なんですよ。作・演出を担当する末満さんが、ダークなイメージがあるイザボーという人を通して、希望、真実、未来などを伝えたいとおっしゃっていた。それができる手ごたえはあります。誰しも悪い人になりたくて生きてきたわけじゃない。色々なことを考えて生きた結果、最悪になってしまった。そんなイザボー自身の人となりはキュートなんですよ。望海さんのキュートさが溢れています」と、イザボーを演じる望海に賛辞を贈った。 最悪であり最高の女性を演じる望海は、「周りからは最悪と言われるかもしれないが、それをパワーにして、イザボーがどう生き抜いたかを演じていきます。ジャンヌ・ダルクの前に、あの時代を生きた一人の女性を知ってもらえたら」と役柄への意気込みを語った。 最後に、「お客様に一緒に作っていただくシーンもあり、参加型なミュージカルの側面もあります。怖がらずに乗っていただければ(嬉しいです)。セット、美術、照明、音楽、衣装、全部が掛け算のように合わさり、見どころだらけ。皆様に見ていただけるのが楽しみです」と締めくくった。 また、1月15日発売の『婦人公論』2月号に掲載されている「私の“お守り言葉”」コーナーで、出演する舞台にかける思いを明かしている。 ****** チケット代を払って足を運んでくださるお客様に、現実を忘れるくらいの「プライスレス」な体験をお届けしたい。そう思いながら、日々稽古に取り組んでいます。 (『婦人公論』2024年2月号より抜粋) ******
◆圧巻の公開ゲネプロ 挨拶後に行われた公開ゲネプロで、望海演じるイザボーの姿は圧巻。深紅のドレスを身に纏った望海が登場すると、ステージ上の空気が一気に変わる。 フランス国王・シャルル6世に嫁ぎ王妃となったイザボー。幸せな生活を送っていたはずが、シャルル6世が錯乱状態に陥り状況が一変。数々の苦難に立ち向かう心情を、望海がエネルギッシュに歌い上げる。女性にとって不遇の時代を、自分なりの幸せを求めて生き抜いく姿に心を打たれる。 コロナ禍明けならではの出演者が観客席に降りてくる演出、ロックなサウンドや場面を表したさまざまな照明の色使いなど、演者と一体感を味わうことができた。 シャルル6世が「狂気王」となった後、政治の実権を握ったイザボー。彼女はなぜフランスを破滅へと導いたと言われるようになったのか、そんな彼女が迎える最期とは。望海が演じる圧倒的なオーラを放つイザボーの姿に目が離せない。
「婦人公論.jp」編集部
【関連記事】
- 望海風斗「本を出したことで、宝塚退団後のひと区切りがついたかな。〈こんな柔らかい感じの姿、見たことない)と言われて」
- 望海風斗「宝塚を退団して3年目の挑戦。入団のきっかけ〈ファン〉の天海祐希さんと菊田一夫演劇賞を同時受賞。舞台の神様からのギフトだと」
- 明日海りお×望海風斗 宝塚の同期だけにわかる「あるある」。短くても話すだけで元気になれた。89期の絆は今も健在
- 宝塚を退団してから、私の学びの時間は始まった。パソコン、カメラ、アロマセラピー、陶芸…大人の学びは楽しく、視野を広げてくれる
- 拝啓 望海風斗様 センターが似合う人。男役からの大変身っぷりはお見事!『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』を観劇して