春ドラマ俳優ベスト5。朝も夜も“泣かせまくった”仲野太賀も凄いけど、今クール最注目のNo.1は
巨大な天堂記念病院における権力争いを勝ち抜き、理事まで上りつめた赤楚演じる天堂海斗。理事として病院を守ろうと尽力するも、徐々にその歯車は狂いはじめます。医療過誤を隠ぺいしたり、若手の医師を脅したり、記者時代の後輩の好意を利用したり――正義感の強かった海斗の顔が、どんどん歪んでいくのが分かるほどの豹変ぶりです。こんなにも悪い顔ができたのか! と驚かされました。 7月26日から公開の映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』では、坂本龍馬役で出演。過去の偉人たちが現世で政権を担うという奇抜な設定で、どんな風雲児を赤楚が演じるのか、ワクワクします。
中川大志/『95』『滅相も無い』
深夜ドラマでの名演が光ったのは中川大志。1995年の渋谷をがむしゃらに駆け抜けた高校生の物語を描いた『95(キュウゴー)』(テレビ東京系)では、祖父は政治家、父は大病院の経営者という高校生・鈴木翔太郎(通称・翔)を演じました。 主人公・広重秋久(通称:Q/髙橋海人)に大きな影響を与えるカリスマ的存在を、中川は見事に体現。本人はまだ生まれていなかった1995年の空気を確かに纏って、画面のなかでキラキラと輝いていました。第8話ではヒロイン・セイラ(松本穂香)との過去も明かされ、強さだけでなく高校生らしい未熟さや弱さも垣間見せたシーンは印象的。余すところなく翔という人物の魅力を表現していました。 ドラマ『滅相も無い』(MBS毎日放送・TBS系)では一転、怒れない大学生・川端を演じました。日本に突如現れた巨大な“穴”。“穴”に救済を求めて入ろうとする人々が、“穴”に入る前に、互いの人生を語り合うという物語です。中川が演じる川端は、幼少期から周囲に対して「違和感」は覚えるものの、「怒る」に至れない。怒り方がよく分からないという葛藤を吐露します。『95』とは一味違う、中川の繊細な心情表現に引きこまれました。
仲野太賀/『季節のない街』『虎に翼』
4人目は、テレビ東京系で放送された宮藤官九郎氏脚本『季節のない街』(昨年ディズニープラスで先行配信)の仲野太賀。