いじめで息子を亡くした母親 加害生徒側から“謝罪の手紙”が届くも不信感「本当に悪いと思っているなら、もっと早くに自宅に来るはず」 匿名SNSで誹謗中傷・LINE陰口で中3男子が自死
匿名のコメントや陰口も「いじめ」と認定する“異例”の判断
今年3月、市は第三者委員会の報告書を公表した。第三者委員会は、Aさんが被害を訴えていたにもかかわらず「いじめ」として対応しなかったなど、学校側に「法的ないじめ対応の意識が根本的に欠けていた」と厳しく指摘した。 さらに、SNS上で「死ね」などと匿名で投稿したコメントや、Aさんが含まれないLINEグループでの陰口について、匿名であっても、また、Aさんが詳しい内容を知らなくても「心身の苦痛を感じると認められるものについてはいじめに該当する」として、計62件をいじめとする極めて異例の判断を下し、いじめと自殺の因果関係を認めた。 (門真市教育委員会 鈴木貴雄教育部長※当時 今年3月)「本人に知らせていなければ陰で何をやってもいいということではありません。今回示された認定についてはとても重いものと受け止めています」 報告書の公表後、遺族は警察に傷害罪で刑事告訴を試みたが、受理されなかったという。 (Aさんの母親)「刑事処罰を負わせることもできず、正直、もう無力感。母親として結局何もしてやれていない」
加害生徒側から届いた手紙 その内容に遺族「“自分は巻き込まれただけ”みたいな感じ」
そんな中、報告書で加害生徒とされた本人とその両親から遺族宛てに1通の手紙が届いた。 【加害生徒の両親の手紙より】 「大変申し訳ございませんでした。息子が全く関係ないとは本人も私たちも思っておりません」 しかし、Aさんの母親が手紙を読み進めると、自分は加害者ではなくいじめとは無関係と考えているのではないかと感じる部分があったという。 【加害生徒の両親の手紙より】 「息子が陰口を言ってしまったこと、(Aさんを)避けてしまったこと、そして何もできなかったことを息子共々深くお詫び申し上げます。直接止めることが難しくても、担任の先生や他の先生に言うことができたと思います」 【加害生徒の手紙より】 「言葉の使い方がよくなかったと反省しています。(Aさんが)周りからされていたことは、ひどいなと思っていました。しかし、受験期で、内申書のことが気になり関わりたくないとの思いから、何もできませんでした」 (Aさんの母親)「自分も(第三者委に加害者と)認定されたのに、“自分は巻き込まれただけ”みたいな感じに捉えられる、私たちにしたら。『ひどいことをされているのを知りながら何もできなかった』って、いやいやあなたもひどいことしてますからって」 Aさんが亡くなってから2年間、一度も謝罪に来なかった加害生徒側からこうした手紙が届いたことに、Aさんの母親は不信感を募らせている。 (Aさんの母親)「これだけ間が空いて謝罪するというのは、『一応謝っとこうか』と。そんな謝罪だったらいりませんし、本当に悪いと思っているんやったら、もっともっと早くに来るはずですからね、自宅に」 「本当に責任を感じているのか?」裁判で加害生徒から直接話を聞きたいと思うようになった。