水が「下流」から「上流」に? お金持ちのゴミにまつわる定説とは【滝沢秀一連載】
ゴミ清掃員としても働く芸人の滝沢秀一(マシンガンズ)が、ゴミを回収していて気が付いた事実、それが「金持ちの家から出るゴミは少ない」ということ。長年にわたりゴミを見続けた滝沢氏だからわかる、ゴミに隠された秘密を教えます! みんなでゴミを少なくして、金持ちになろう! 【画像】今週のゴミトリビア * * * 今回は久しぶりに「お金持ちのゴミ」と「お金がたまらない人のゴミ」についてお話ししたいと思います。 ゴミは世界的にも「貧困のところに流れる」と言われています。「ゴミは上流から下流に流れ、水は下流から上流に行く」という表現があって、要は、ゴミは貧しい人のところへ流れ着き、きれいな水はお金持ちのところへ流れる、という意味です。これは、昔から定説のように語られています。 日本でもお金がたまらない人ほど、安いけれど長持ちしづらいものを買いがちだったりします。「安物買いの銭失い」という言葉があることからも、昔からそういう認識なのでしょう。逆にお金持ちは、ちょっと高くてもしっかり長持ちするものを買うイメージ。 安いものは壊れやすくダメになることが多いので、「どうせ安かったし、捨てちゃえ」みたいなことで、結果ゴミが増えます。壊れたら新しいものを買い、それもダメになったらまた捨ててまた買ってという、ゴミが生み出されるスパイラルに陥りがちです。 大きく国家単位で考えても、貧しい国には世界のあらゆるゴミが集まってきます。つまり、「ゴミが多い=お金がたまらない」というふうに思ってもいいのかもしれません。「船の墓場」や「スモーキーマウンテン」などがいい例だと思います。 排出されるゴミの多くは先進国が出したものだったりするので、世界レベルで先進国という「上流」から、貧しい国という「下流」にゴミが移動しているわけです。 2017年に「中国ショック」と言われた廃プラスチック問題がありました。それまで中国は世界の廃プラスチックを集めて処理していましたが、「国内に廃プラスチックを入れない」という判断をしたのです。 その後、日本は廃プラスチックをマレーシアを中心に東南アジアの国々に輸出することになりました。しかし東南アジアの国々でも次々と廃プラスチックの輸入が禁止になると、噂レベルではありますが、今度はトルコに送っているという話があり、さらにその次はブルガリアに頼ろうとしているそうです。 ただ、どこの国でもいつかは限界が来ます。だから、自分で作ったり使ったものは、自分で安全に処理できるようにしなければいけないわけです。これは国でも個人でも同じことではないでしょうか。ゴミを「下流」に流し続けていては、決してゴミは減りませんし、本当に豊かな人間・国とはいえないでしょう。自分が「下流」にならないためにも、まずはゴミを減らす努力をすることは、無駄ではないのかもしれません。