くふうハヤテの最速150キロ右腕・早川太貴…チームトップタイ3勝と好調の理由、交流戦そしてドラフト指名への思い
くふうハヤテは14日からのヤクルト3連戦(草薙)で球団初の交流戦を迎える。今季開幕投手を務め、交流戦初戦でも先発を託されることが濃厚な早川太貴投手(24)がこのほど、しずおか報知のインタビューに応じた。昨年は地元の北海道で市役所勤務をしていた最速150キロ右腕。チームトップタイ3勝と好調の理由や、交流戦への思いを語った。 (取材・構成=伊藤 明日香) ―交流戦初戦で先発登板が濃厚だ 「特別な気持ちはないが、負けてしまったホームでの開幕戦の次から、ずっとビジター。2か月ぶりに静岡で投げる。(自身のホーム初勝利へ)いいピッチングができたら」 ―二宮衣沙貴投手に並ぶチームトップ3勝。好調の理由は? 「開幕戦の時は気負いすぎて、コースを狙いすぎていた。まずはゾーンを意識して投げるようにしたのが結果につながっている。また勝利は運。投手にできるのは負けさせないこと。勝利数より防御率、負けた数の方が気になります」 ―自身が3勝してから、他の投手も勝ち星を重ねるようになった 「二宮さんは元々、いい投手。他の投手はストライクが安定して入るようになり、少しずつ試合をつくれるようになった結果かと」 ―実際にプロ野球の舞台で投げて手応えは? 「今年の最速は147キロですが、直球でカウントや三振も取れている。直球は、強さや質的なところで通用しているところもあると思う」 ―課題にしていた奪三振数は5月3日の阪神戦で8回10K。何か変わった? 「今まで三振のパターンはスプリットを決め球にすることが多かった。ただ、阪神の右打者はスライダーにタイミングが合っていなかったので、それで三振を取るようにした。スライダーは自信がなかったが、プロの打者から多く空振りが取れ、今後のパターンも増えて自信になった」 ―昨年は市役所で働きながら、社会人クラブチーム「ウイン北広島」でプレー。環境の違いは? 「(ウイン北広島では)グラウンドを借りられる時間も限られていたし、(ハヤテでは)野球に打ち込める時間は増えた。相手がいるからその都度意見を聞けて、少しずつ修正できるようになっていた」 ―ハヤテに来てから成長した点は? 「変化球のコントロールが比べものにならないぐらいよくなった。自信がなかったスライダーも、キャッチボール相手や捕手から『一気に曲がるから取りづらい』と言われて、変にコースを狙わなくてもゾーン目がけて投げることでコントロールがよくなりました」 ―2軍戦だが、実際にプロ野球選手と対戦して 「一番違うのはスイングスピード。今までと全く違う。だからこそ空振りも、あんまり取れていなかった。僕は年齢的(24歳)にも投球で圧倒しないとドラフトにかからない。パワーで押して多く三振を取っていくようになれれば」 ―目標は10月のドラフト会議での指名 「呼んでくれるならどこでもという気持ちはあるが、一番行く可能性があるとしたら、地元の人を獲得することもある日本ハム。日本ハム戦でいい投球ができたらうれしい。投げられないとしても、スカウトの人を呼べるぐらいのレベルになりたい」 ―7月17、18日には日本ハムとの対戦がある。対戦したい選手は? 「同年代の清宮選手です。(対戦時に2軍に)いたら絶対意識してしまいますね」 ◆早川 太貴(はやかわ・だいき)1999年12月18日、北海道・江別市出身。24歳。大麻泉小3年時に東大麻グランドキングスで野球を始める。大麻東中では軟式野球部。大麻高では北海道大会(夏は南)出場はなく、小樽商科大では札幌学生連盟2部でプレー。卒業後、北広島市役所に務めながらクラブチームのウイン北広島に在籍。家族は両親と弟。185センチ、96キロ。右投右打。 〇…交流戦開幕前の時点で、ハヤテは9勝25敗4分でリーグ最下位。3月は2勝10敗1分けとNPB球団との力の差を見せつけられたが、4月は7勝10敗2分と盛り返した。昨年末に左肘の手術を受けた前DeNAの池谷蒼大投手(24)=静岡高出=らが戦列に加わり、赤堀元之監督(54)は「投手陣が走者が出ても落ち着くようになった。四球が減り、しっかり勝負できる球で投げられるようになってきている」と説明した。
報知新聞社