耕作放棄地減少へタッグ 氷見(富山)の餅店と農業法人が新商品
日名田屋餅店(富山県氷見市伊勢大町)は、農業法人のウルキ開発(同市十二町)が耕作放棄地で栽培した新大正もちの玄米を使い、「氷見げんまい餅」を作った。連携により農業の担い手不足解消や耕作放棄地減少を目指す。 不動産のウルキ開発の坂下祐生社長(53)が地元で増えている耕作放棄地を何とかしたいと農業法人の資格を取得。20年以上、耕作されていなかった80アールの所有者と耕作権の契約を結び、農薬や化学肥料を使わず新大正もちを栽培した。相談を受けた同店の松木功太社長(41)が全量を買い取り、加工を手がけた。 同店によると、玄米はビタミンや食物繊維などの栄養素が豊富で腹持ちが良いのが特徴。子どものおやつとしても食べてもらえるように小さめの角切りサイズとし、25日から6個入りの販売を始めた。 餅の需要は12月が最盛期ながら、松木社長は「年間を通して買ってもらえるようにしていきたい」と言い、収益化を通して農業の担い手確保にもつなげたいとする。坂下社長も「地域の農業を守っていく上で付加価値があり、地域にも喜んでもらえるように進めていきたい」と話した。