実は資産を増やす以外のメリットがある!お金持ちが投資にお金を使う理由
お金持ちは一体どんなことにお金を使っているのでしょうか? ファイナンシャルプランナーの立川健悟氏は著書『お金持ちは合理的』(すばる舎)のなかで「投資にお金を使うことで資産も自分も成長させる」と言っています。これはどういうことでしょうか? 具体的な説明を本書から一部抜粋して紹介していきます。
銀行に預けるだけの人、投資を始める人
「お金を使う先はすべて投資先」と言う人がいるほど、お金持ちの投資に対する意識と意欲は高く、一般の方のそれとは比べ物になりません。 この記事で紹介する「投資」は、資産運用のための狭い意味での投資です。 お金持ちの具体的な投資先としては、株や債券といった金融商品はもちろん、飛行機や船舶などの現物、一棟マンションや沖縄の軍用地など国内外の不動産、著作権や特許の使用権などを私は見聞きしてきました。 投資未経験の方は、「投資って損をするリスクもあるんでしょう?」と及び腰になりがちです。もちろん、投資はお金が増えることが約束されているものではありませんが、今の時代、銀行にお金を眠らせておくほうがはるかにリスクが高いとも言えます。 現在の各銀行の普通預金金利は0.001%です。 預けたお金が利息によって倍になるのは、なんと7万2000年先です。 一方、たとえばGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)によって運用されている公的年金は、国が私たちの代わりに投資をしているわけですが、その収益率は年率3.5%を超えています。銀行の約3500倍のペースで運用されています。 毎月1万円を30年間積立てた場合 原資:1万円×12ヶ月×30年=360万円 金利0.001%の場合:360万539円(+539円) 金利3.5%の場合:635万4127円(+275万4127円) このように、ただお金を銀行に預けているだけの人と投資をしている人の間には、これだけ大きな差が生まれるのです。
投資は早く始めて長く続けるとリスクが減る
金融投資は、早く始めて長く続けるとリスクが抑えられる、と言われています。 毎日株価が上下すると、ハラハラドキドキしてしまうものですが、世界の株式市場を長期的に見た場合、人口の増加とそれにともなう物やサービスの提供量の増加により、世界全体の株式の価値はゆるやかな右肩上がりを見せています。 これこそが、一般的に株式を長く保有すればするほど、利回りが安定すると言われる根拠の一つです。 金融学の世界的権威、ジェレミー・シーゲル氏は、著書『Stocks for the Long Run』の中で、1802年からの約210年間における米国株式の実質リターンの最高値と最低値を分析しています。 それによると、20年未満の保有期間ではリターンの最低値はマイナスになるものの、20年を超えるとプラスに転じ、30年間保有した場合、1802年以来の米国株式の実質リターンは最低でも2.6%、最高リターンは10.6%だったそうです。 この数字を見ると、長期投資を前提とした株式運用は、かなり効果的だと言えるのです。 米国株式の例を出しましたが、日本株式についても同様に、20~30年の保有によって、実質リターンはプラスに収束していきます。 あくまで過去の数値をもとにした論であり、将来に渡る再現性を約束するものではありませんが、すばやい決断によって少しでも長い運用期間を確保することでリスクを減らし、リターンが狙いやすくなると言えるのではないでしょうか。