「今、振り返れば生意気」『南くんの恋人』から30年、武田真治が明かす当時の自分
「自分の人生が変わった3か月でした。見知らぬ方から“南くん”と呼ばれるようになって、人気者になるってこういうことなのか、と」 【写真】1994年当時“南くん”だった武田真治 1994年に放送されたドラマ『南くんの恋人』に南くん役で出演していた当時を、こう振り返る武田。それまでになかった放送枠・月曜20時のドラマは大きな話題を呼んだ。
“南くん”役から30年
「新設されたドラマ枠だったので、制作陣も手探り状態だったと思います。今、振り返れば生意気なんですが、大人の言うとおりに演じることが好きじゃなくて、僕からもたくさんアイデアを出させてもらいました。 今回30年ぶりに“南くん”を執筆する脚本の岡田惠和さんも、当時連続ドラマをメインで書くのは初めてで、役者もスタッフも、みんな野心的だったと思います」 と懐かしむ。 「『南くんの恋人』は、ストーリーもテーマも、それまでの青春ドラマに多かった“スポーツと純愛”ではなかったんです。 南くんに好きな子がいて、その子が手のひらサイズになっちゃって、さぁ大変。でも、ちょっとラッキー。南くんはそんな渦中で別の女子の誘惑にも揺れる。学生モノなのに純愛だけではない、登場人物の人間くささが垣間見えるのが“平成的”だったと思います。 これが昭和だったら、スポーツの要素を盛り込んだり、女の子が小さくなったことをクラス全体の問題にしてみんなで話し合い、乗り越えようとしたりしていたと思うんです。でも南くんがひとりで“こそこそと”乗り切っていくストーリーが目新しく、あのころたくさんの人に共感してもらえたのかなと思います」 『南くんの恋人』5度目のドラマ化となる今作では、小さくなった南くん(八木勇征)をお世話するちよみ(飯沼愛)の父を演じる。ドラマの見どころは? 「僕が勝手にこの作品に感じているテーマは“受け入れよう”“受け止めよう”です。自分とは違う他者を受け入れてみようとすることの大切さが深いところのテーマとして描かれているのかな、と思っています。 ちよみと僕が演じる父・信太郎は血がつながっていないけど、家族として受け入れ合っています。15cmになった南くんを、ちよみは受け入れて行動します。しかもどこかちょっと楽しみながら。それってとても素敵だなと僕は思っているんです。皆さんにもそんなことを感じながらこのドラマを見てほしいなと思います」