無病息災と発展願う 御湯開幕告げる降神祭 昼神温泉郷【長野県阿智村】
長野県阿智村昼神温泉郷の冬の風物詩「昼神の御湯(おんゆ)」の開幕を告げる降神祭と分湯式が1日、昼神温泉の朝市広場であった。稲わらで組んだ守り神の人形「湯屋守(ゆやもり)様」を並べて神事を行い、温泉利用者の無病息災と温泉郷の繁栄を祈った。 神事には旅館関係者などが出席。大小11基の湯屋守様が並び、中央には高さ約3メートルの「大湯屋守様」が置かれた。朝市を訪れた観光客も見守る中、煮えたぎった釜のお湯を四方にまいて昼神温泉の発展を祈願した。 昼神の御湯は今年で18年目で、12月から来年3月上旬までの3カ月間。「霜月祭り」に訪れた八百万の神様が昼神に滞在して温泉に入るとし、湯屋守様は神様が滞在している間の魔除けの役を担う。 各旅館は玄関に湯屋守様を飾り、宿泊客を迎える。神様が帰る「お焚き上げ」(3月8日)までの期間中、入浴客には神様と一緒に温泉に入ったとして無病息災などのご利益があるという。旅館によっては「入湯の証」をプレゼントするなどの催しが行われる。 実行委員会の伊壷真一会長は「自然災害で大変な年だったが、コロナも収まりお客さまが戻りつつある」と1年を振り返り、「コロナ禍前のように自由に旅行ができる世の中になればうれしい。少しずつ増えて来た海外のお客さまにも御湯をアピールしていきたい」と話していた。