松山英樹とリディア・コーのメダルで畑岡奈紗に芽生えた「ロス五輪に出たい」
◇米国女子◇ISPS Handa スコットランド女子オープン 事前(13日)◇ダンドナルドリンクス (スコットランド)◇6563yd(パー72) 【画像】見えてきた五輪ゴルフの“価値”とは 畑岡奈紗のトーナメント出場は7月のメジャー「アムンディ エビアン選手権」から5週ぶりとなる。シーズンの真っただ中でそれだけ試合から離れるのは、これまでなかったこと。「一番は、いったんゴルフを忘れてリフレッシュしたかった」。スケジューリングの狙いを明かしつつ、家族で旅行に出かけていたときでも「やっぱり(ゴルフのことを)考えちゃいますよね」と笑う。生粋のプロゴルファーであることを改めて自覚した。
例年にない日程を組んだのも、もとをたどれば「オリンピックに出るつもりで考えていた」からだ。「パリ五輪」に向けた日本代表争いの1番手として2024年を迎えながら、笹生優花と山下美夢有に逆転を許して東京大会に続く出場はならなかった。「今年ずっと代表争いをしていて、考えなかった日はなかった。(キャディの)グレッグとも『目の前の試合を大事にした結果(としてついてくるもの)』と話していたんですけど、やっぱり気になっちゃうところはあったので。もう少し成績を残せたら良かったと思いますけど…」 3年前の東京ではプロ転向前からの目標だったメダルを逃し、今回は代表入りもかなわなかった。日本のエースとして長く米ツアーで奮闘しながら苦い思いをしてきたオリンピックについて「やっぱりちょっと特別だなって。次のロスに向けて『出たいな』って気持ちにもなりました」とリベンジの意思を明確にしたのは、パリで表彰台に立った2人の姿を見たことが大きい。
銅メダルを獲得した松山英樹は同じフロリダ州オーランドに拠点を構え、男女で日本ゴルフ界をけん引してきた存在。「松山さんは本当に最後まで諦めずにプレーしていて、それが銅メダルにつながったことはすごく良かった」と自分のことのように喜ぶ。ゴルフ史上初の金・銀・銅をそろえる“メダルスラム”を達成したリディア・コー(ニュージーランド)も同じレイクノナG&CCで腕を磨き、頼りになるツアーの姉貴分として慕う。「3大会ともメダルを獲るなんて、本当にすごい」と尊敬のまなざしを向ける。
リスペクトする2人のように、2028年ロサンゼルス五輪で表彰台へ――。悔しさを味わってきたシーズン半ばに新たな目標へ向けた一歩を踏み出す。(スコットランド・アーバイン/亀山泰宏)