日テレ系「系列4社経営統合」その先に待つ“それ以外の局”の消滅…不可避なリストラと仕事を失う芸能人
日本テレビホールディングス(HD)は11月29日、同社系列の札幌テレビ放送(札幌市)、中京テレビ放送(名古屋市)、読売テレビ放送(大阪市)、福岡放送(福岡市)の4社が経営統合すると発表した。 ■【画像あり】日テレ系「4社経営統合」芸能人もリストラ…タッキー社長「栗色ヘアー黒スーツ」で営業をする姿 2025年4月1日付で持ち株会社「読売中京FSホールディングス(FYCS)」を設立し、4社が完全子会社として傘下に入る。 テレビ離れ、動画配信サービスとの競争が激化している現状で、テレビ各局の事業維持が難しくなりつつある。そんななか、日本テレビHDは体力のある大都市の4社を統合して経営基盤を安定させ、生き残りを図ることになる。 FYCSの社長には日本テレビHDの石沢顕社長(68)が、会長には中京テレビの丸山公夫会長(70)がそれぞれ就任する。 「日本テレビHDは時間をかけてこの経営統合の話を進めていたんです。用意周到に東京から担当者を派遣し、じっくりと資本関係の整理をしていたといいます。“系列局”とは言いますが、地元の企業が大株主で、資本関係はバラバラだったりすることもある。日テレはこの整理を進めていたといいます。来年4月以降は日本テレビHDが筆頭株主になり、4局は資本的には日テレの支配下に置かれることになる。 一方で、今回名を連ねた札幌、名古屋、大阪、福岡の4局以外は、将来の取り潰しや統廃合される対象でもあるといいます。その理由はテレビ事業の限界。地方経済の疲弊、人口減、テレビ離れ――主にその3つで地方のテレビ局の台所事情は今、非常に厳しいことになっています。 今後、日テレ系の地方局では、まずは経理、総務、人事といったオフィス業務を4社に集中させる準備を進めるだろうと言われていますね。たとえば、九州の系列局のオフィス業務を福岡放送にまとめるという感じですね」(広告代理店関係者)
■タッキーの営業力で旧ジャニタレントのローカル番組激増も…
現在は1都道府県にほぼ1つの系列局があるが、今後は地方局の統廃合が進められることになるようだ。 「今回は日テレ系でしたが、当然、フジテレビ系、TBS系、テレビ朝日系の系列局も厳しい状況は同じ。遅かれ早かれ、日テレ系と同じ道を辿ると見られています。日テレは、先を見ての動きが早かったということです。 今後、たとえば中部エリアだったら、岐阜県などには報道局の1部門だけ置き、情報番組やバラエティ番組は名古屋で制作していく、そのように地方局を集約させていくのではないかと見られています。ただそれは、やはり地方局が消滅するということ。会社がなくなるのですから当然、職を失う人も多く出るでしょうし、生き残る局でも大リストラは必至と見られています。当然、多くのローカル番組も終わることになります。 旧ジャニーズ事務所時代、当時の滝沢秀明副社長(42)は地方に積極的に営業をかけ、旧ジャニーズタレントのローカル番組が増えました。STARTO ENTERTAINMENTに移行してからもローカル番組に出演しているタレントは少なくありませんが、そういった番組の中にも終わっていくものも出てくるはずです」(前出の広告代理店関係者) 3月31日に終了してしまったが、TOKIOの国分太一(50)は20年2月から名古屋・東海テレビの『タイチサン!』に出演していた。現在は謹慎中のKAT-TUNの中丸雄一(41)は22年4月から大阪・ABCテレビ制作の『朝だ!生です旅サラダ』(ABCテレビ・テレビ朝日系)に出演している。 A.B.C-Zは熊本・テレビ熊本の『若っ人ランド』と『あっぱれ!A.B.C-Z』、名古屋・メ~テレの『ドデスカ!』をはじめ、ローカル局に複数のレギュラー番組や準レギュラー番組を抱えている。 「滝沢さんが設立したTOBEに所属するIMP.のメンバー7人も、全国7地区のTBSの系列局に単独レギュラー出演していますが、これも滝沢さんの営業力で実現したんでしょう。4月にIMP.が中国進出を果たした際にはグループに同行し、当地の大手SNS『Weibo』の本社を訪れて営業活動をしていましたから、滝沢さんの積極営業の姿勢は今も変わっていないということ。 ただ、そういったローカル番組も局が統廃合されれば終わる可能性が高い。今回の日本テレビHDの経営統合には人口の多い宮城や広島、そして静岡の系列局が入っていませんが、いずれ、こういった局も統廃合されていくだろうと見られていますね」(前同) 日本テレビ系列の静岡第一テレビで放送されている夕方の帯番組『まるごと』には、インディアンス、浜口京子(46)、コットン、みやぞん(39)、阿佐ヶ谷姉妹、ずんの飯尾和樹(55)といった有名タレントも出演しているが、局の統廃合が進めば、こういった番組も打ち切りの対象になってくると見られている。 「3日にはNHKが、中継局を民放各社と共同利用するための子会社を設立すると発表しました。中継をするにも大きなお金がかかりますからね。それを各社がそれぞれやっていくのも厳しくなってきているということですよね。今回、系列局の経営統合を進めた日テレでは水卜麻美アナ(37)がMCを務める朝のニュース番組『ZIP!』でも地方からの中継がありますが、それも将来的にはNHKとの共同会社の中継が使われるようになっていくのでしょう。 テレビ界は今後、加速度的に変化していくと見られています。そして、それが顕著に見えるのが、まずは地方局でということになりそうです」(同) 生き残りをかけて――日本のテレビ界は今、大きな分岐点を迎えているようだ。
ピンズバNEWS編集部