生きていたのに「明らかな死亡」と消防が誤判断…搬送1時間半遅れて死亡「あってはならない事態」
知多中部広域消防本部(愛知県半田市)は11日、119番を受けた愛知県東浦町の救急出動先で、70歳代の男性を死亡と誤って判断し、引き揚げていたと発表した。男性はその後、搬送先の病院で死亡が確認された。誤判断により、病院の到着が約1時間30分遅れたが、死亡との因果関係は不明としている。
発表によると、10日午前9時35分頃、一人暮らしの男性宅に「新聞がたまっている」と配達員から知らされたマンション管理人が119番。同45分頃に救急隊が現場に到着し、浴室で倒れていた男性を発見した。救急救命士2人は、心肺停止状態で「明らかな死亡状態」と判断、警察に引き継いで引き揚げた。
しかし、同11時10分頃、見分中の警官が口元と指先に動きがあることに気づき、119番した。再出動した救急隊が、心肺蘇生を施したところ男性の生命反応があり、同40分頃に半田市内の病院に到着したが、同日夕に死亡したという。搬送中も心電図や呼吸に弱い動きが見られたという。
救急救命士は、消防庁通知に基づいて死亡の判断をしたが、観察が不十分だった可能性があるとして、同本部は検証を進める。
記者会見した同消防本部の枡内文男消防長は「あってはならない事態でおわび申し上げる」と陳謝した。