ルノー、日産を時価総額で逆転-年初来で株価37%上昇
(ブルームバーグ): 仏ルノーグループが日産自動車を時価総額で上回った。日産とのアライアンス(企業連合)緩和などの動きを投資家が評価している。
ルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)は黒字化を果たし、ラインナップの見直しに取り組んでいる。こうした中で、ルノーの株価は年初来で37%上昇。数十年前のアライアンス発足以来、ほぼ全ての期間でルノーの時価総額は日産を下回ってきたが、いまやルノーは約150億ユーロ(約2兆5000億円)と評価され、日産を2000億円程度上回った。
スタイフェルのアナリスト、ピエール・イブ・ケメナー氏は、「そつがない経営で、利益率とフリーキャッシュフローの改善が続いている」と指摘した。
デメオCEOの下、ルノーはロシアから撤退し、電気自動車(EV)事業と従来型のエンジン車事業を分離、クアルコムやボルボ、中国・浙江吉利などとの新たな協力関係を成立させた。競争の激しい欧州EV市場で勝ち抜くべく、価格2万5000ユーロの「R5 E-Tech」を投入する。これらが好感され、ルノーは欧州自動車株のうち年初来の上昇率が最も高い。
一方、日産はラインナップの陳腐化や北米でのハイブリッド製品の欠如、中国での競争激化で苦戦している。
原題:Renault Overtakes Nissan in Shake-Up for Decades-Long Alliance(抜粋)
--取材協力:Craig Trudell.
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Albertina Torsoli