2024年、ショッピングセンターの売り上げは前年超え インバウンド客増加が寄与
日本ショッピングセンター協会が、2024年度冬季定例記者懇談会を開催した。2024年の既存ショッピングセンター(以下、SC)の売上高は、館内イベントや近隣イベントの開催、大都市を中心にしたインバウンド客の増加により、前年超えとなった。
立地別に見ると、東京23区、大阪市、名古屋市など大都市のSCはインバウンド客が売り上げを押し上げたほか、レジャー需要にも対応する周辺地域の大型SCは、国内外旅行客の来館により好調だった。反面、中都市に立地する近隣型SCは、猛暑による外出控えなどが影響して伸び悩んだ。 2024年のSCの新規開業数は36でほぼ前年並みだったが、閉店数が38で、閉店数が開業数を上回った。この傾向は2019年以降6年連続となっている。2024年に新規開業したSCとしては、愛知県の「iiNEマルシェ」や広島県の「イオンタウン楽々園」に代表される、地域住民の生活を支える食やコミュニティ機能を備えた小型施設や、東京都の「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」、長崎県「長崎スタジアムシティ」などの、オフィスやホテル、住宅との複合施設にカルチャーやスポーツの要素をプラスして体験価値を高めた施設が象徴的なものとして挙げられるという。 2025年に新規開業するSCの数は16と、統計開始以来最少を見込む。協会はその要因としてSCの飽和化や資材価格、建築コストの高騰による開発の先延ばしを挙げている。