常総学院、吹奏楽部が応援曲収録 センバツ出場の野球部後押し 録音に気持ち込めて /茨城
第93回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)に出場する常総学院で13日、吹奏楽部が試合で流す応援曲を録音した。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、スタンドに立てない吹奏楽部からのエール。野球部と同じく全国大会常連の強豪は、級友らが夢舞台で活躍することを祈り、熱い思いを演奏に込めていた。【長屋美乃里】 全日本吹奏楽コンクール14回金賞などの実績を持つ同校吹奏楽部。現在は「第44回全日本アンサンブルコンテスト」を20日に控え、練習を重ねている。 部長の田所千央(ちひろ)さんは、野球部のエース・秋本璃空投手らと同級生だ。練習を記録する「野球ノート」を持ち歩き、常に野球を念頭に置く部員たちの姿に「自分も頑張ろうと思えた」と話す。同じく同級生の伊藤琢磨選手とは、昨秋の関東大会での準優勝をハイタッチで喜び合ったという。 甲子園で級友の雄姿を後押ししたいと考えていただけに、2月18日にコロナ禍で演奏できないと決まると、部員たちからは落胆の声があがった。収録した音楽をアルプスで流せることは、せめてもの救いだった。 部員の飯野峻太朗さんは「応援指導部、チアリーディング部、吹奏楽部、野球部が一つになって戦いたい」と意気込む。級友の大川慈英投手からは「吹奏楽部の音は力になる」と期待を寄せられたという。 収録したのは、得点が入った時に流す「常総節」や、同校の卒業生が制作した「武士(もののふ)」など全10曲。試合当日も、「選手がプレーする姿を見ながら応援したい」という部員の希望もあり、学校で試合の様子を流しながら応援曲を演奏する予定だ。田所さんは「初戦は緊張すると思うが、選手のモチベーションが上がるように気持ちを込めたい」と話す。離れていてもエールはきっと届く。