海外メディアは桃田のバドミントン全英OP初Vの快挙をどう伝えたのか
バドミントンの全英オープンの男子シングルス決勝が10日(日本時間11日)、英国のバーミンガムで行われ、世界ランキング1位の桃田賢斗(24、NTT東日本)が同6位のビクタ―・アクセルセン(25、デンマーク)を2-1で破り、同大会の同種目で日本勢として初優勝の快挙を成し遂げた。アクセルセンは2017年の世界選手権の金メダリストで桃田とはジュニア時代からしのぎを削ってきたライバル。いいスタートを切った桃田は、第2ゲームを奪われたが、第3ゲームに立て直して3年ぶりの出場となった伝統のある大会で優勝を飾った。 公式サイトや海外メディアは桃田の快挙をどう伝えたのか。 世界バドミントン連盟(BWF)の公式サイトは「歴史を作る男、桃田が全英優勝」との見出しを取り「21-11、15-21、21-15の緊迫の決勝戦を経て日本人初の男子シングルス王者になった」と伝えた。 記事は「桃田に対して連敗(9連敗)が続いていたアクセルセンにとっては、また苦い結果となった。対戦成績は(アクセルセンの)1勝11敗となった」と2人の相性を紹介。 「桃田は模範的なプレーで序盤はリードを奪い、アクセルセンを根気よく正確にコントロールし続けた。だが、アクセルセンが大きなスマッシュを決めてから試合の様相が変わった。アクセルセンが大きなスマッシュのウィナーを打ち込み、桃田のフォアサイドの守備が破られた。アクセルセンは第2ゲームを終えるときにはエネルギーと自信に満ち溢れていた」と1-1から第3ゲームにもつれた試合展開を説明。 「アクセルセンについていくには桃田はすべての技術が必要だった。第3ゲーム途中の休憩後にアクセルセンの集中力が一瞬、弱まったことにも救われた。アクセルセンのエネルギーが少し弱ったことで桃田はリードを奪った。そのリードが広がったところで試合は事実上決した」とレポートした。 同サイトによると過去に全英では日本人として1966年の秋山真男、2010年の田児賢一の2人が決勝に進出していたという。 五輪競技を扱う英国スポーツサイトの「インサイド・ザ・ゲーム」も「トップシードの桃田が全英の決勝でデンマーク選手で2017年の世界王者、アクセルセンを撃破した」と伝えた。記事は「バドミントンで最も権威ある大会の1つにふさわしい素晴らしい決勝戦となり、桃田は1900年から続く今大会の男子シングルスにおいて初の男子日本選手の勝者となった」と報じた。 インドのメディアサイト「インディア・トゥデイ」も、全英オープンでの桃田の優勝を報道。 「世界1位の桃田は優勝候補とされていたプレッシャーを感じさせず、脚本通りに耐えてデンマークのアクセルセンを破り、全英オープン選手権で優勝した初の日本男子選手となった。桃田は1時間20分の試合で最高位に君臨した」と伝えた。 「最高のプレーを見せようと試みながらも、後半に疲れが見えたアクセルセンにとって桃田は良すぎた。桃田は終盤に最高のプレーを見せてタイトルを手中に収めた」と、試合内容を紹介した。 また「桃田は昨年(違法な)ギャンブルによる出場停止処分から復帰したばかりでランキングが足りずに全英でプレーできなかった。だが、その後、桃田は流星のような上昇を見せて世界トップとなった。そして、その一つがバドミントンで最も歴史のある大会での勝利となった」と、桃田の躍進プロセスを記した。 同記事では、桃田の「全英はみんなが勝ちたいと思っている大会。ランキングのトップとしてプレッシャーがあったが、あらゆる人の支えによってやり遂げることができた」というコメントも紹介されている。東京五輪での金メダルが期待される桃田に海外のバドミントンファンやメディアも注目している。