道路標識に表示されている「バス」に年式が定められていたってマジ!?
道路標識は実用面だけを考えた硬派な設備。ところが自分でクルマを運転しない時になると、好奇心を掻き立てる最高の観察対象に化けたりするからおもしろい。ということでちょいと標識ウォッチングしつつ登場するバスを考えてみよう。 【画像ギャラリー】街歩きしながら楽しむ道路標識(7枚) 文・写真:中山修一 (バス系道路標識の写真付き記事はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください)
■そのへんで探せる宝物
道路標識の図柄は全国共通となっているが、滅多に見られない種類があったり、標識同士の組み合わせのせいで、たまたまネタっぽい意味に捉えられたりと、地域ごとに色々な顔が見られる。 「歩行者用道路」の人物が、宇宙人型と誘拐型の最低2パターン存在するのは味わい深いところだし、凝視すると和式便器の詰まりを解消している様子にしか見えなくなる工事中の標識もまた憎めない。 バリエーション豊富な「動物注意」をはじめ、出現頻度が低めの「警笛鳴らせ」や「!」マークなどは、趣味の道路標識においては、出会えばいつも高い満足感を提供してくれる"お宝"だ。
■あのバス古くね?
ひょうきんな面々が勢揃いした道路標識であるが、今回注目したいのは大型車「バス」のシンボル。よく進入禁止系の標識に描かれている、あのバスだ。 遠くからでもバスだと分かるシルエットであるが、じっくり観察してみると、屋根周りが丸みを帯びているモノコックボディかキャブオーバータイプで、側面窓が上下2段になった「バス窓」風の表現が描かれている。 そういったスタイルを持つバス車両となれば、かなり古い車だ。道路標識のバス車両は、一体何年式に相当するのか、だんだん気になってきた。
■道路標識の歴史を遡ると……
バスの年式=その道路標識が初めてできた年、と考えて良さそうだ。キャブオーバー式のバス車両が主流になっていったのは1960年代なので、大体その頃だろうと察しはつく。 とはいえ、1960年代より前にもキャブオーバー式自体は存在していたため、一応念のため戦前まで遡って調べてみることにした。 その結果、大昔の道路標識は現在ほどグラフィカルなものではなく、種類も凄く少ないと分かった。確認できた限り、バスが関係してくる標識自体がなかったらしい。