早大の快進撃支える”金森理論” 小宮山監督招へいの名伯楽が打撃強化、今春リーグ首位4割5分2厘の尾瀬ら頭角
◆東京六大学春季リーグ戦▽第8週第1日 早大8―1慶大(1日・神宮球場) 観衆3万人が集った早慶戦の第1戦は、勝ち点を挙げれば優勝の早大が慶大に8―1で大勝し、2020年秋以来7季ぶり47度目のVに王手をかけた。あと1勝で重信(現巨人)らを擁した15年春以来、18季ぶりの完全優勝が決まる。 * * * * “強いワセダ”復活の背景には、23年春から助監督に就任した金森栄治氏(67)の存在がある。外野手として早大からプリンスホテルを経て西武入団。通算583安打の巧打者だ。引退後はコーチとしてプロ球団を渡り歩き、職人肌の名伯楽で知られた。 小宮山監督はロッテの投手時代から、同氏の指導力に注目。打撃コーチが不在となった際、当時のバレンタイン監督に「飛び抜けて打てる選手を作り出せるコーチだ。絶対に採用した方がいい」と進言したこともあった。その時はタイミングが合わなかったが、22年オフに金森氏が楽天を退団すると聞くと、熱烈オファーして迎え入れた。 金森助監督は選手に理論を説き、打撃投手も務め、マンツーマンで助言していった。今春リーグトップの打率4割5分2厘の尾瀬らが頭角を現し、チーム打率は明大に次ぎリーグ2位の2割8分7厘。試合中も攻略法を伝授している。「学生時代、金森さんほどバットを振った人はいないと聞いている。そんな方に教えていただけることに意義がある」。小宮山監督は力を込め語った。(加藤 弘士)
報知新聞社