アンガマで家内繁盛祈願 珍問答で笑いも
旧盆(ソーロン)入りした16日、あの世から戻った祖先とされるウシュマイ(爺)とンミー(婆)が、ファーマー(子や孫)を引き連れて家々を回る伝統行事「アンガマ」が始まった。地域の青年会が取り組み、家々では地域住民や観光客などが集合。訪問先ではウシュマイとンミーが仏壇に手を合わせ、地域住民と問答を繰り広げた。 石垣青年会は石垣公民館を出発し、数十人のアンガマ一行が石垣地区を回った。 午後7時ごろ、最初に西表孫秀さん(59)宅を訪問し、ファーマーが居間に上がり、仏壇に手を合わせた。家内繁栄を願い、三線の音色に合わせて踊りを披露した。 問答では、地域の住民が「最近何をしてもうまくて、投げやりになってしまう。私も頑張れば金メダルもらえますか」と問いた。ウシュマイとンミーは「諦めた人は輝かしい金メダルはもらえませんよ。それに『投げやり』ではなく「やり投げ」ですよ」と返して笑わせた。シュマイとンミーは「親のご恩は図ることができない。親が生きているうちに死んではいけないよ。親孝行せーよー」と、集まった子どもたちに呼び掛けた。 西表さんは「アンガマの演目は、小さい頃から見ていた踊り。受け継がれた踊りを今では甥っ子たちがファーマーとして踊っている」と感慨深そうに話した。 西表さんと親戚に当たる大濵つきさん(4)は「アンガマ」を動画でもよく見ると言い「大きくなったら踊りたい」と夢をふくらませた。