中国で”山P”に次ぐ人気! 日本企業も注目のクリエイター山下智博とは?
山下智博というクリエイターをご存知だろうか――。一瞬、ジャニーズの山P(ヤマピー)こと山下智久の誤字かと勘違いした人もいるのではないだろうか。しかしこの人物、制作した日本の情報を紹介する動画が中国で4億回以上再生されているという超人気者。百度(バイドゥ)という中国の検索サイトでは“山下”と入れると山Pの次に表示されるほどの知名度だという。政治的に緊張感が増す日中関係に対して「日中のローション(潤滑油)になることが夢」という山下氏に話を聞いた。
「尖閣諸島問題」で逆風吹き荒れる中国に敢えて移住
山下氏が上海に移住したのは、2012年9月。北海道小樽市出身の彼は、大阪芸術大学を卒業後、表現活動を続けていたが一念発起して中国へ渡った。 「大学時代から将来的に海外でモノ作りをしてみたいという気持ちがあったんです。もともと現代アートをやっていたので、普通ならヨーロッパがメッカなのですが、みんな行っているし……って(笑)。これから文化関係が面白くなりそうな国にしようと思ったんです。ブラジルやインド、ロシア、中国……どれも若者文化が見えてこないし魅力的でした。そんな中、自分の勝手な見方なのですが、モノ作りって劣悪な環境になればなるほど、反骨心が出て湧き出るものがあると思ったんです。一番日本人に風当たりが強いところ、日本人が活躍していなくて嫌われているところ行こうって決めたんです」 奇しくも当時、尖閣諸島問題で日中関係はかなりの緊張状態だった。当然、上海でも大規模な反日デモが起こっていたという。山下氏にとっては格好の“逆風”の様相を呈していた。 「『すごい歓迎だ!これこれ』って思っていたのですが、フタをあけてみたら若い人たちは意外と反日じゃないんです。まあ行ったばかりで中国語も話せず、交流できる人って日本語話せる親日の人ばかりということもあったのですが『政治的な問題はあるけど、お前たちの国のマンガやアニメ、AVは好きなんだ』って言われたんですよ。ちょっと拍子抜けでしたね」。