【緒方耕一】ソフトバンクが崖っぷちに追い詰められた理由 先発は中何日で投げられるのか?
<日本シリーズ:ソフトバンク0-7DeNA>◇第5戦◇31日◇みずほペイペイドーム 【一覧】日本シリーズの日程&結果 私を含め、戦前の予想ではソフトバンクの優位が伝えられていたし、DeNAが2連敗したときはアッという間に日本一が決まると思った人は多かっただろう。 しかし大方の予想とは違い、2勝2敗で迎えた第5戦は投打にDeNAが圧勝した。日本一に向けて王手をかけたDeNAの勝因と、強いと思われたソフトバンクが崖っぷちに追い詰められた理由を考えてみた。 日本シリーズは多くても7試合で決着がつく短期決戦。ここで最初に考えるのは、初戦の先発を誰に任せるかだろう。DeNAはエースの東がケガの影響で第3戦に回ったためにジャクソンが先発。ソフトバンクは最多勝のエース有原。この決断に疑問はないが、問題なのは、この両先発が中何日で投げられるのか? 近年、日本シリーズでも中6日で投げるケースは多いが、個人的には初戦に投げる投手は中4日で第5戦に投げられる投手がいいと思っている。 第5戦は今シリーズのように2勝2敗か、1勝3敗か3勝1敗での対戦になる。もちろん、初戦の段階で予想はつかない。しかし2勝2敗、もしくは1勝3敗で対戦するチームは、第5戦で初戦に先発した投手を起用するべきだと思う。今シリーズは予告先発が決まっていて、前日の試合が終わってからの発表だった。2勝2敗で終わった時点で、第5戦の先発は、初戦に先発した投手でよかった。 もっとも投手によっては調整もある。それならばシリーズ前に初戦に投げる投手に中4日で投げる可能性があることを告げておくか、それが無理なら第2戦に回ってもらった方がいい。DeNAは中4日でジャクソンが先発し、ソフトバンクはケガから復帰した大関が久しぶりの先発。ケガの東の実力を度外視して簡単に説明するなら、NO・1のジャクソンVS 5番手の大関の先発になる。勝てば王手で、負ければ崖っぷちに追い詰められる試合で、ソフトバンクは厳しい戦いになることが予想された。ジャクソンは期待通りの快投で7回を無失点に抑え込んだ。 ただ、王手をかけられたソフトバンクも、第6戦に万全の状態で有原、第7戦にモイネロがスタンバイ。一方のDeNAは第3戦に先発した東と第4戦に先発したケイがどこで投げられるかがカギ。週末は雨予報で、試合日程がずれればDeNAには有利に転じる。戦前は劣勢だと思われたが、日本一のチャンスが巡ってきた。地力のあるソフトバンクが逆転で押し切るのか。見応えのある展開になった。(日刊スポーツ評論家)