超稼ぐのは? 欧州日本人、最新年俸ランキング6位。見合っていない? 今季はベンチを温める潰し屋
かつて、日本人選手の海外挑戦はそれ自体がある種のステータスとなっていた節もあった。だが、時代が移り変わり、もはや欧州クラブに所属する“だけ”では高い評価を得られず、「どれほどの活躍ができているか」が最も重視されるようになっている。そこで今回は、評価基準の一つとして、欧州日本人選手の最新年俸をランキング形式で紹介する。※推定年俸は『Capology』を、成績は『transfermarkt』を参照。
6位:遠藤航(えんどう・わたる) 生年月日:1993年2月9日 所属クラブ:リバプール(イングランド) 推定年俸:312万ユーロ(約4.9億円) 24/25リーグ戦成績:4試合0得点0アシスト ドイツで「デュエル王」の地位を確立し、イングランドの名門・リバプールでも加入初年度にユルゲン・クロップ前監督の信頼を勝ち取った遠藤航が、欧州日本人選手の最新年俸ランキングで6位にランクインした。 遠藤は、これまで欧州の人々が日本人選手に抱いてきた「技術はあるが線が細くフィジカルプレーに弱い」というイメージを覆してみせた。シュトゥットガルトに在籍していた2020/21シーズンにはブンデスリーガ(ドイツ1部リーグ)最多のデュエル勝利を記録。屈強な男たちが居並ぶリーグで身長178cmの遠藤が競り合いにことごとく勝ち続ける様は衝撃的だった。 2021/22シーズンはキャプテンに就任し、リーグで2年連続のデュエル王に君臨。シュトゥットガルトをけん引する立場になった遠藤が新たな一歩を踏み出したのは、2023年8月のことだった。 ベテランの域に入った30歳にしてプレミアリーグ(イングランド1部リーグ)初挑戦。リバプールへ完全移籍で加入し、名将・クロップ前監督の下でプレーすることになった。 シーズン序盤こそ適応に苦しんだ感もあったが、遠藤は次第に“世界最高峰リーグ”へ順応。シーズン中盤以降はアンカーポジションのレギュラーとしてチームを支えた。 しかし、2024/25シーズン、遠藤はキャリア停滞の危機に立たされている。昨シーズン限りで退任したクロップ前監督よりもポゼッションに重きを置くアルネ・スロット監督の到来で、出場機会が激減しているのだ。しかし、それは必ずしも遠藤の価値の下落を意味するわけではなく、指揮官の志向するスタイルと遠藤の特長に相違があるだけである。 このままリバプールに残って指揮官を納得させるような活躍を試みるにしても、出場機会を求めて他クラブに移籍したとしても、遠藤が代名詞のデュエルを捨て去ることはない。
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