【速報】クジラ「淀ちゃん」処理巡り業者と会食問題 28件の違反行為が判明「会食」や「業者から贈答品受け取り」など 大阪港湾局「鯨類対処マニュアル」も新たに作成
去年、大阪湾で死んだクジラ処理をめぐり、大阪港湾局の職員と処理業者が禁止されている会食をしていた問題で、ほかにも会食や土産品や記念品を受け取るなど20件以上のマニュアル違反があったことが大阪港湾局の調査で明らかになりました。 去年1月、淀川の河口付近で見つかったクジラの「淀ちゃん」は死後、大阪市から依頼を受けた海運業者が海に沈めました。 大阪港湾局は業者と当初の試算額の倍以上にあたる約8000万円で随意契約しましたが、担当ではない課長が業者の意向に沿って金額を引き上げるよう強く進言していたことがわかっています。 さらに、今年5月23日の市議会で大阪港湾局は、この課長がマニュアルで禁止されているクジラの処理後に業者側と会食していたと明らかになっていました。 今年6月に大阪市入札等監視委員会からの意見を受け、大阪港湾局が他にもマニュアルに禁止された事項がないか調査したところ、28件のマニュアルに禁止事項に該当、もしくは該当する可能性があることが分かったということです。 28件には、「お土産や記念品など贈答品を受け取る(6件)」、「業者名が入ったカレンダーなど事務用品を受け取る(5件)」「会食やパーティーをすること(17件)」などが含まれていたということです。 中には研修時に元市の関係団体職員との食事や関係する業界団体が主催したイベントに課長代理級の職員が参加していたということです。 また、去年1月下旬、クジラ処理の請負業者(元市職員)に対して、課長級職員が労いの目的で私費で日本酒を届けていた行為は「マニュアルには抵触しないものの、市民に疑惑を与える可能性がある事案」としていて、これらの行為を「マニュアルの周知徹底不足」と原因づけました。 (人事・港湾再編 増山明担当課長) 「大阪港を利用していただくという特性上、他局と比べると事業者との意見交換やいわゆる会食と言われる部分が多いところもあるが、少し多いと思う。マニュアルの周囲徹底をしていれば違反はもっと少なかったと思う。そういう意味では徹底が甘かった」
横山市長「あってはならないこと、再発防止を徹底」
一方で、横山英幸市長は「1件でもあったら不適切は不適切、あってはならないこと」と厳しく指摘しました。 (大阪市・横山英幸市長) 「なにか事業者にいわゆる接待していたとか悪質なものは報告受けていない。いずれにしてもマニュアルに則ってない行為と聞いているので、以後ないように努めてほしい」 また、大阪港湾局では、今後「淀ちゃん」と同様の事態が発生したときに備え「鯨類対処マニュアル」を作成し、発見から処理に至るまでの役割分担や処理方法の明確化を行うとしています。