乗ると世界が変わる? アストンマーティン「DB12ヴォランテ」に試乗!
DB12 ヴォランテはアンダーボディの横方向の連結など、構造要素を強化している。横剛性の改善により、サスペンションのパフォーマンスと洗練度を高めたことで全体的なねじり剛性も向上させた。こうした改良の効果なのか、高速域からハンドルをキツめに切ってもブレやふらつきがなく、車体がしっかりと付いてくる感じがある。剛性感の高さはスポーツカーを乗る上で欠かせない要素だ。
DB12は「インディビジュアル」「GT」「スポーツ」「スポーツ+」(そのほかウェットモードなどもある)のドライブモードを備えている。さすがにスポーツ+を選ぶとエンジン音が変わり、乗り心地もグッと硬くなるが、アクセルを踏み込めば想像を超えるパワフルな加速体験が得られる。ただ、長時間の運転では疲弊してしまいそうだ。長距離運転のときはスポーツ+以外のモードの方がいいだろう。 オープンカーでありながら車内の静粛性が高かった点は強調しておきたい。幌を閉じていれば風切音はもちろん、車外の騒音、ロードノイズなどもなく、密閉度の高さが感じられた。 ■後席はあってないようなもの DB12 ヴォランテがドライブして楽しいクルマだということは十分にわかった。では、日常使いでうまく扱えるのか。まず後席シートだが、作りは申し分ないものの、成人男性が乗車するにはかなり狭く、足元のスペースはないに等しい。バックパックなどを載せるスペースとして使うことになりそうだ。
次にラゲッジスペース。幌を閉じている状態であれば、それなりに荷物が積める。ただ注意したいのは、オープンカーにすると幌がラゲッジスペース内に収まることになり、容量が圧迫されること。実際に試せてはいないが、オープンカーの状態ではゴルフバッグが1つ積めるかどうかといったところだろう。
正直、イマイチな点もあった。走行中、ルームミラーの付け根から絶えずカタカタと音がしていて、手で抑えると音が止まるといった具合だったのだ。パワーウィンドウのスイッチもグラついていて、たてつけが悪い。そのほか、ナビ周りの使い勝手もいまひとつ。アップルカープレイは無線で接続できないし、ナビ画面のタッチの反応もあまり良くない。