アップルを米司法省が21日にも提訴、反トラスト法違反で-関係者
(ブルームバーグ): 米アップルが「iPhone(アイフォーン)」のハードウエアとソフトウエア機能への競合他社のアクセスを妨げ、反トラスト法(独占禁止法)に違反しているとして、米司法省が同社を相手取り、21日にも連邦裁判所に訴訟を起こす見通しだ。
非公開情報を理由に事情に詳しい複数の関係者が匿名で明らかにした。司法省とアップルにコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。
司法省がアップルを反トラスト法違反で提訴するのは過去14年で3回目だが、同社が支配的地位を違法に維持していると訴えるのは今回が初めてという。
20日の米株市場の時間外取引で、アップルの株価は一時1.4%下落した。同日の通常取引終了時までの年初来下落率は7.2%に達した。
アルファベット傘下グーグルの検索サービスやデジタル広告事業が反トラスト法に違反していると主張し、司法省は同社を既に提訴。連邦取引委員会(FTC)もメタ・プラットフォームズとアマゾン・ドット・コムを相手取り、同法違反で訴えを起こしており、寡占状態を問題視するバイデン政権と米巨大IT企業との法廷闘争が今回の提訴でさらにエスカレートする。
アップルを巡っては、競合他社がより安価な音楽配信サービスをユーザーに提供することを妨げたとして、欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会が今月、EU競争法違反で18億ユーロ(約2970億円)の制裁金を科すと発表した。
EUではアプリストアの外部企業への開放を義務付けるデジタル市場法(DMA)が今月施行されたが、インストール数が多いアプリにアップルが課す新たな手数料体系にライバル各社は反発しており、同法に基づく欧州委の本格調査に直面する可能性もある。
DMAの重大な違反には全世界の年間売上高の最大10%、違反を繰り返す場合には最大20%という厳しい制裁が科される。
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