【速報】大阪ミナミ“グリ下の帝王”名乗る男に懲役7年の実刑判決 女子中学生らに性的暴行 大阪地裁
大阪・ミナミのグリコの看板下で知り合った女子中学生らに、性的暴行を加えたなどの罪に問われた男について大阪地裁は7日、懲役7年の実刑判決を言い渡しました。男は自らを「グリ下の帝王」と名乗っていました。 起訴状などによりますと、無職の浦野那生被告(31)は今年1月、女子中学生3人に性的暴行を加えた罪のほか、去年12月には女子中学生らに向精神薬を譲り渡したり、去年11月に別の女子中学生を自宅に連れ去ったりした罪に問われています。 浦野被告は大阪・ミナミのグリコの看板下、いわゆる「グリ下」で女子中学生らと知り合い、自らを「グリ下の帝王」と名乗っていたということです。 浦野被告は、薬を過剰摂取する「オーバードーズ」の願望があった女子中学生とSNSで知り合い、「泊めてあげる。薬をあげる」などと誘ったとされ、自宅は同じようにオーバードーズをする「グリ下」関係者のたまり場になっていました。 誘拐された女子中学生は1週間後に保護された際、薬を服用し、ろれつが回らない状態だったということです。 これまでの裁判で、浦野被告は「1人は16歳未満だと知らなかった」などと起訴内容を一部否認する一方、検察側は懲役9年を求刑していました。
7日の判決で、浦野被告はアニメのキャラクターが描かれたスウェットを上下ともに着用し、逮捕時とは異なる黒色の短髪姿で法廷に現れました。 浦野被告が被害者の年齢について起訴内容を一部否認していることに対し、大阪地裁は「被害者は年齢を伝えたり聞かれたりしていないと話し、被告の供述と合致していて、具体的に年齢を知る機会はなかった」とした一方、「グリ下に出入りする多数は16歳未満の若年者だと被告は把握していたことなどから、被害者が16歳未満の可能性は十分に認識できたし、年齢を確認せず明確に意識していて未必的な認識があったと認められる」と指摘しました。 その上で「判断能力が不十分な被害者の性的自己決定権を害し、精神的・身体的な被害は甚大だ。向精神薬を欲していることを把握し、それを利用して誘拐したことについても犯情は悪質という評価は免れない。また、向精神薬を譲り渡した者たちにオーバードーズの願望があることを知りながら、薬物を蔓延助長させたのは悪質だ」とした一方、「各事実をおおむね認め、反省している。今後一切グリ下に近づかず、グリ下関係者との交友を絶つとしている」として、懲役7年を言い渡しました。 閉廷後、浦野被告は裁判長に向かって「ありがとうございました」と大きな声で一礼し、法廷を後にしました。