茎や葉が電気の代わり…光る植物で脱炭素社会の実現目指す
AI活用した技術、万博から発信
機械を自動運転化させるAI(人工知能)の作成に取り組む奈良先端大のロボットラーニング研究室(松原崇充教授)からは二つの研究成果が万博に出展される。一つはAIを活用した研削ロボット=JST、未来社会創造事業、京都大共同=だ。 防塵(ぼうじん)のガラスで囲われた中で、ロボットがアームの先端に取り付けたテストピースを研削ベルトに押しつけて削っていく。球形など目標の形にするには、どのような角度や強さで研削すればいいかをAIが判断して加工する。 実際にロボットを動かしてAIに学習させると、多大な時間や労力がかかる。研究に取り組む博士後期課程の鉢峰拓海さん(26)は、画像生成AIの仕組みを使った動作計画手法を開発。簡易なシミュレーションで集めたデータを使った作業の自動化に成功した。鉢峰さんは「最初は仮説通りに動かず、研究室にこもって一つずつ検証していった」と振り返る。 もう一つはゴミクレーン自動化の研究=カナデビア(旧日立造船)共同=。焼却施設のゴミクレーンが、収集されたゴミを均等にばらまいて、ゴミに含まれる水分量を均一化させる作業をAIで自動化させる取り組みだ。 担当者の佐々木光助教(29)は、研究室内に、クレーンゲームに似たロボットを作成。ゴミに見立てた紙クズの重さや落ち方をAIに学習させていった。佐々木助教は「実物のクレーンでテストすると、実験と変わらない成果があった」と胸を張る。 万博では4月23日と9月19日に大阪ヘルスケアパビリオン内のイベント広場で二つの研究を展示し、ロボットの実演を行う。松原教授(44)は「若い研究者たちが、社会実装できる技術の開発に取り組んでいる。その研究拠点が、奈良を含む『けいはんな学研都市』にあることを知ってもらいたい」と期待している。(上田昌義)