コンビニ店で常連客が心肺停止、店員ら2人がAEDで救命 後日元気に来店「もう一回頑張って生きるわ」 兵庫
コンビニ店内で心肺停止した男性客(89)に、自動体外式除細動器(AED)を使って人命救助したとして、兵庫県宝塚市消防本部は店員ら2人に感謝状を贈った。男性は病院に搬送されたが、後遺症もなく社会復帰を果たした。迅速な措置が命を救ったといい、2人は「また店に来てくれた。元気になってくれてよかった」と話している。(冨田佳久) 【写真】六甲山中で倒れていた少女2人保護 「だめかもしれない」体さすり続ける 表彰されたのは、ローソン宝塚米谷二丁目店の店員高置優さん(41)と店内にある介護窓口の相談員仲田祐子さん(61)。9月28日午前9時40分ごろ、常連客の男性がレジの前で倒れた。高置さんは男性をイートインスペースのいすに座らせ、相談窓口にいた仲田さんに「救急車を呼んで」と依頼した。 男性は意識を失い、心肺停止状態となり、高置さんは「おとーさん」と声をかけ続けた。仲田さんは119番して「意識がない。呼吸もない」と伝えたところ「AEDと胸骨圧迫(心臓マッサージ)を」と指示を受けた。2人は男性を床に寝かせ、店内に設置されていたAEDを使い、音声に従って措置、駆けつけた救急隊員に引き継いだ。 仲田さんはAED講習を受けた経験があったが、使うのは初めてで「必死だった。回復されて私たちの方が救われた」。高置さんは「びっくりした。1人ではなく、2人だったからできた」と振り返った。 男性は後日、元気な姿で店にコーヒーを飲みに訪れ「もう一回頑張って生きるわ」と話したという。 同市消防本部によると、市内コンビニ店へのAED設置は2014年からスタート。24時間営業の全56店舗に設置されたが、実際に使われて社会復帰に至ったケースは今回が初めて。髙橋康宏消防長は「処置が早かったのが良かった。設置に携わる立場として喜ばしいこと」と話した。