メンバー全員上京! 浪漫革命インタビュー「ミュージシャンとしてしっかり売れて、いたい人たちといれる状況を守らなきゃいけない」
──バンドがそこまで〈売れたい〉という意識を持ったのは、それまでの状況に危機感を持っていたからなんですか? 藤澤 危機感っていうか、バンドとして中途半端だと感じていたんです。ポップなことをしたいのか、渋くてかっこいい音楽をやりたいのか。でも、いま俺たち5人はどこに行きたいのかって真剣に話をしたとき、ふじぴーさん(藤本卓馬、ベース)が〈アリーナに立ちたいんだよね〉と言って、その瞬間はみんな笑っちゃったんですけど、次第に〈ほんまにそれだよな〉と思って。だったら年齢的にもラスト・チャンスかもしれないし、本気で売れるために5人でがんばろうと、みんなで上京を決めたんです。 大池 東京に行ってみて、なんだか話が早くなりましたね。会いたい人にすぐ会えるし、観たいバンドもすぐ観られるし。 藤澤 それまで仲の良いバンドなんてPK shampooしかいなかったんですけど、いまはBREIMENの祥ちゃん(高木祥太)がセッションに誘ってくれたり、Ryosukeさんからも〈~~があるから行こうよ〉と声が掛かったり、いろいろフットワーク軽く動けるようになりました。しかも、東京のミュージシャンはみんな、やるべきことをちゃんとやっている。京都だとよくも悪くものんびりしていて、その結果、独自の味で濃くなっていくんですけど、東京はもう少しプロフェッショナル。自分も背中を押されるし、刺激的です。充実していますね。 阿南 東京の良い面、悪い面どちらでもあるんですけど、東京はずっとスイッチをオンでいれるんです。そのぶん、ずっとオンでいられる人だけが残れるという面も強い。だから、あまりサステナブルではないかもしれないんですけどね。 ──浪漫革命は息切れしないようなペースも大事にしつつ、さらにステップアップしていってほしいですね。 藤澤 新しいEPの最後に収録した“聴いて!”という曲は、他のものが出来たあとに急遽曲数を増やすことになり、急いで作ったものなんですけど、〈この作品を聴いてくれ〉という気持ちから出来たものなんです。すごく良い作品になった自信があるから。 大池 もっと続けていくためにこれを聴いてほしいと本気で思うよね。 藤澤 yonawoの(斉藤)雄哉くんの家に遊びに行ったとき、そこにいたみんなで「世界に君一人だけ」のアレンジを12時間ぐらい考えたりしたこともあったんです。〈こういうことがやりたいんだな〉と思いました。 みんなで集まれて、音を鳴らせて、楽しくて。それを続けられるためには、ミュージシャンとしてしっかり売れて、いたい人たちといれる状況を守らなきゃいけないと思います。今後も阿南さんたちと作りたいですし。 阿南 Ryosuke、bisshiと3人での初仕事でしたけど、浪漫革命との作業はすごくやりやすかったですね。人間的にひねくれた人がいないというか、バンドかたも正直に希望を伝えてくれたし、こっちも遠慮せずに意見を言えた。初めて一緒に制作した際は、〈もっとこうできたらよかったな〉とか思いがちなんですけど、このEPはそれがない。珍しいです。 ──年長者の立場として、浪漫革命が長く続けるために何かアドバイスはありますか? 阿南 うーん、僕らと一緒にやってれば続くんじゃないですか(笑)。それは冗談だけど半分本気でもあって。 バンドだけでやっていると本当に上手くいかないときもくるから。また、続けていたとしても惰性でやっているなら、僕はなくなったほうがいいとも思う。でも、ちゃんと良い状態で続けていくためには、第三者だったりメンター的な人だったりが必要なんじゃないかな。日本の特にインディーっぽいシーンはDIYで自分たちだけでやるのが正義という風潮が強い気がするんですけど、いまの僕はメンバー以外の存在もバンドにとってすごく大事だと考えているんです。 ──今日はありがとうございました! 最後に10月からスタートするワンマンツアーに向けての意気込みをお願いします。 大池 EPの曲たちのお披露目ツアーになるので、新しい曲たちがライブでどうなるのか僕自身、すごく楽しみです! 是非目撃しに来てください! 藤澤 今回のツアーとEPは浪漫革命の人生でいちばん思いが溢れ出していて、止まらないものです。みんなに来て欲しい。全国から大集合してください。僕らもその思いを返せるように来年、再来年はたくさんの都道府県を回れるバンドになりたい。届けこの思い!! Text:田中亮太 <リリース情報> ニュー・EP「溢れ出す」 2024年9月25日(水)リリース 【収録曲】 1.世界に君一人だけ 2.君という天使 3.ゆ 4.うわついた気持ち(feat.鎮座DOPENESS) 5.シルビー 6.聴いて! <ツアー情報> 浪漫革命ONEMAN TOUR 「PRAY for ROMANCE」 10月14日(月・祝)OPEN 18:30 / START 19:00 会場:東京 月見ル君想フ 「PRAY for ROMANCE」 11月8日(金) OPEN 18:00 / START 18:30 会場:京都 磔磔 「NEW ISLAND FESTIVAL」 ※対バン有 12月21日(土) OPEN 15:00 / START 16:00 会場:大阪 味園ユニバース 「PRAY for ROMANCE」 1月12日(日) OPEN 17:30 / START 18:00 会場:名古屋 CLUB UPSET 「ROMANCE is not DEAD」 2月2日(日) OPEN 17:00 / START 18:00 会場:東京 LIQUIDROOM