進化系フィットネスジム急成長中!会員限定で無料温泉にビールは200円で!? 驚きのサービスの裏側を取材【愛媛発】
退会率60%の壁を突破せよ!多様なサービスで会員をつなぎとめる
サービスを広げる裏には、フィットネスジムを運営する上でのある「課題」があったという。 村上社長は「24時間フィットネスは平均的なデータで言うと毎月5%以上がやめていくようなデータが出ているんです。入っても続かない。もうこれがフィットネス業界の課題なんです」と説明した。 毎月5%以上、年間にして60%の人が辞めるという厳しい現実。それに加え、日本は海外と比べフィットネスへの参加率が低いという課題もあった。 会員数を増やし、且つ利用を継続してもらおうと取り組んだのが「サービスの拡充」だった。コワーキングスペース、コインランドリーにセルフエステ、さらにはカラオケボックスも。 無料または格安で利用できる会員専用サービスを広げていった結果、事業開始当初350人だった会員数は順調に増加し、2024年に入って1万6000人を突破した。課題となっていた「退会率」も下がり、現在は若い世代や女性の会員が増えているという。
温泉無料、ビール200円 常識破りのサービスで地域に貢献
ユニークなサービスは他にもある。 砥部町が運営していたある温泉施設は赤字経営や燃料費の高騰などを理由に2024年3月に閉館したものの、4月からは三福グループが運営を引き継いだ。その結果、会員(※スパプラン)は「無料」で「何度でも」入浴することができるようになった。 ある男性利用者は「家が近くなんで毎日こさせてもらっています。温泉も入れてすごく気分も良くなりますし、ここから仕事だったり筋トレだったり頑張ろうという気になりますね」と喜びを隠せない様子だ。 さらに驚きのサービスがある。 松山市大街道に2023年10月にオープンした、その名も「P・SPO酒場」。驚くべきは、その価格だ。生ビールは一杯なんと200円!(※17時以降は250円)店内に常時10種類ほど並ぶオードブルは650円で皿に盛り放題と「ほぼ原価」で提供されている。 この日来店したある男性は、たくさん盛ってお皿からこぼれそうなほどだ。「ちょっと欲張りすぎました」と笑いながら、「お友達と飲む前の1軒目で軽く飲んだりとか含めると2週に1回くらいは今のところ来ています」と語る。 フィットネスとは対極にあるようにも思える酒場だが、ここにも退会させないための「狙い」があった。 村上社長は「会員という1つの共通点プラス、アルコールが入ると仲良くなるんじゃないかと。そこのコミュニティーのところをもっともっと構築したいという思いで。仲間が増えると行く回数、利用する回数が増えますよね。利用回数が増えればそこも継続するっていうところがあって」と説明する。 1人で来た利用客同士が交流を深めたり、「酒場」が入会のきっかけになったりしているようだ。ある男性会員は「(ジムに)入ってみたいなっていうのがあったんですけど安く飲めるのがちらつきながら入りました。懐事情に大変ありがたいので会員になって良かったなと思っています」と語る。 フィットネスジムを含むサービスの会費は月額で通常プラン5478円のほか、温泉やサウナに入れるプランが6578円。 この価格でサービスを提供できる理由について、村上社長は「不動産の情報とかが早く、かつ交渉もしやすいというところがありますし。あとは内装自体もグループの各社でお願いしているような状況なんです。内装のコストとかもなんとか抑えながら、工夫しながら展開してる」と説明する。 今後もさまざまな工夫を凝らしながら地域に密着したビジネス展開を目指す「P・SPO24」。 今後の展望について「100店舗の会員数5万人っていうのを1つ目指してます。やはり小さなお子様からご高齢の方まで気軽に通えて楽しい店舗を作っていきたい」と語った。 フィットネスの概念を覆す多様なサービス、地域密着型の経営戦略、そして驚きの低価格。「P・SPO24」の挑戦は、単なるフィットネスジムの枠を超え、地域の健康と活力を支える新たなコミュニティの創造へと向かっている。 今後、彼らの戦略がどのような形で実を結び、愛媛の街にどんな変化をもたらすのか。その行方から目が離せない。 (テレビ愛媛)
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