【ラグビー】総キャップ259vs753 エディー日本初陣イングランド戦「果敢に仕掛ける」
ラグビー日本代表(世界ランク12位)が22日、勢いで伝統国の経験値を超越する。過去11戦全敗のイングランド(同5位)とのテストマッチ「リポビタンDチャレンジカップ」に向け、21日は会場の東京・国立競技場で前日調整。極めて異例となる赤と白の試合用ジャージーを着用した。 登録23人中8人が初代表戦となり、9年ぶり指揮のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC、64)が不安の緩和へ策を講じた。総キャップ数259の23人で、同753の難敵から初勝利を目指す。 ◇ ◇ ◇ 静かな国立に現れたのは、桜のジャージーを着た男たちだった。降りしきる雨を気にすることなく、主将のリーチを中心に横一線で緑のピッチをダッシュ。通常は練習着の前日練習だが、この日は勝手が違った。ジョーンズHCと長年過ごすハットリー・コーチが「明日初めて着るのではなく、感触をつかんでもらう。いい形でプレーができるために、最高のチャンスを与える」と意図を説明した。 経験値の劣勢は明白だ。日本の登録23人の総キャップ数は259だが、リーチ1人で84を稼ぐ。第2次エディー政権の旗印「超速ラグビー」へ、早大2年の先発FB矢崎ら新鮮な布陣でビッグマッチに臨む。この日の仕掛けは選手に知らされず、ロッカー室に試合用ジャージーが置かれていたという。昨秋のW杯を経験したSH斎藤は「『緊張する』と口にしたり、いつもより口数が少ない選手もいた。僕も緊張する。うまく話しながら、明日はいい状態で入れるようにしたい」と“予行演習”を終えた。 譲れないのは勇気と勢いだ。ジョーンズHCは常々「超速」の対象を動きだけでなく、考え、決断にも求めてきた。斎藤は「失敗を恐れないことを求められての選考だと思う。少しのスペース、チャンスを見逃さない。常にうかがって、勢い、チャンスがあれば果敢に仕掛けたい」と誓った。 時代が変わっても、相手のスタイルは変わらない。強力FWのスクラムやモール、重圧をかけるキック。伝統国を19年W杯日本大会準優勝に導いたジョーンズHCは、古巣を熟知する。同HCとともにイングランドを指導してきたハットリー・コーチは「勝つためのベストが若手になった」と選考への自信を代弁した。新たな時代の幕開けを告げる80分になる。【松本航】 ◆日本代表メンバー 〈1〉茂原隆由(静岡ブルーレヴズ) 〈2〉原田衛(東芝ブレイブルーパス東京) 〈3〉竹内柊平(浦安D-Rocks) 〈4〉サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ) 〈5〉ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京) 〈6〉リーチ・マイケル(主将、東芝ブレイブルーパス東京) 〈7〉ティエナン・コストリー(コベルコ神戸スティーラーズ) 〈8〉ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ) 〈9〉斎藤直人(東京サントリーサンゴリアス) 〈10〉李承信(コベルコ神戸スティーラーズ) 〈11〉根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ) 〈12〉長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ) 〈13〉ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ) 〈14〉ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京) 〈15〉矢崎由高(早稲田大) 〈16〉坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ) 〈17〉三浦昌悟(トヨタヴェルブリッツ) 〈18〉為房慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ) 〈19〉サウマキ・アマナキ(コベルコ神戸スティーラーズ) 〈20〉山本凱(東京サントリーサンゴリアス) 〈21〉藤原忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ) 〈22〉松田力也(埼玉パナソニックワイルドナイツ) 〈23〉サミソニ・トゥア(浦安D-Rocks) ※所属チームは今季