中2で「300ヤード超え」 16歳アマ・松山茉生が349.6ydのビッグドライブで“新ドラコン王”に
<バンテリン東海クラシック 3日目◇28日◇三好カントリー倶楽部 西コース(愛知県)◇7300ヤード・パー71> “賞金王”のもぐもぐタイム【写真】 史上最年少で「日本アマ」を制した16歳の松山茉生が大会恒例のドライビングコンテストに参加。ドライビングディスタンス1位の河本力、昨年優勝の幡地隆寛らを抑え、349.6ヤードで優勝を果たした。本戦でも12番パー5でイーグルを奪うなど、「68」とスコアを伸ばし、トータル3アンダーでアマチュア最上位の42位タイに浮上した。 レギュラーツアー初出場のスーパー高校生が大器の片鱗を覗かせた。ドラコンでは6番目に登場した松山は2球目に350ヤードに迫るビッグドライブを披露。「ほぼ芯に近いところに当たって、マン振りで振り抜けました」。それまで飛距離自慢のツアープロたちが330ヤード台で接戦を演じていたが、一気に記録を別次元に持っていった。 残るのは河本と幡地。「ミスしてくれと願ってました(笑)。実際に2人とも2球目がすごい当たりだったのでフェアウエーに行ったら抜かれていたと思います」。少年の素直な願いが通じたのか、本命2人の記録は伸びず、飛ばし屋ナンバー1の称号は高校1年生のアマチュアが手にすることとなった。 松山は「うれしいですし、自信になりました」と笑顔。賞金の50万円で買いたいものを問われると「日本アマで勝った時にイヤホンとサングラスを買ってもらったので、今は特に。また欲しいものができたら買ってもらおうと思います」と話した。 幼いころから飛距離は同年代の中で飛び抜けていた。「小学3~4年生のころに自分は周りより飛ぶんだなと気付きました。4年生で220ヤードぐらいだったと思います」。その後も順調に飛距離アップ。父でコーチの阜司(あつし)さんによれば「中学に入って、下半身強化でさらに飛距離が伸びて、2年生の夏には300ヤードを超えるようになりました」という。 そんな松山が憧れるのはメジャー5勝のブルックス・ケプカ(米国)だ。もともとスイングが好きだったが、昨年の「全米プロ」を見て、その思いは強くなった。「最終ホールはアイアンで安全に攻めても優勝だったのに1Wを振り抜いてフェアウェイど真ん中に打っていました。あの場面を見て、自分もあんなプレーをしたいと思うようになりました」。飛距離だけでなく、勝負どころでもフェアウエーに打てる技術とメンタルに感銘を受けた。 この優勝を弾みに最終日に狙うのはビッグスコア。「ドラコンの時と同じぐらい気持ちよく振り抜いて、攻めまくって伸ばすことだけを考えていきたいです」。ケプカのように1Wで攻めるゴルフを貫き、大会前に立てた二桁アンダーの目標達成を狙う。(文・田中宏治)