【ぼーっとする大会】を体験 90分空を見つめ気づいたこと
日テレNEWS NNN
韓国や台湾、オランダなどで開催され、世界で広がりを見せている一風変わったイベント『ぼーっとする大会』が日本で初めて開催されました。どんな内容なのか実際に『日テレNEWS』の記者が出場しました。 【画像】日本初上陸『ぼーっとする大会』 参加者全員が無表情で競い合う
■記者が体験取材 90分間空を見つめ気づいたことは
大会は90分間行われ、いかにぼーっとした表情ができるかを採点する『芸術スコア』と、心拍数の安定度を判定する『技術スコア』をもとに審査。大会見学者の投票も加味され、優勝者を決めます。 スマートフォンや時計を見ること、そして寝ることが禁止となっていて、10代から60代までの107人が参加。医師や保育士、YouTuberなど、それぞれ職業を表す服装で競技に臨みました。参加した渡辺記者は報道腕章を腕につけて出場。普段からぼーっとすることは多いという渡辺記者は「普段ぼーっとしろと言われてすることはないのでどうなるか分からないですが、精いっぱいぼーっとしてこようと思います」と意気込みました。 スタートの合図と同時に寝転がり、ただひたすら空を見つめる作戦を取った渡辺記者。大会当日の天気は快晴で、暖かい気温の中で開催されたため、寝落ちしてしまい失格となる参加者が出る中、90分間、寝ずに同じ姿勢を貫き続けました。優勝とはなりませんでしたが、「何もせずにいられるっていうのは、この時代にはわざわざ作らなきゃいけないんだなと思いつつ、すごく幸せな時間でした」と、振り返りました。 ほかにも、大会中正面を向いてぼーっとしていた元公務員の50代は、「自分たちが働いていた世代は、ぼーっとしたら怒られるような時代で、今も常にタイムパフォーマンスが求められて、ぼーっとすることが罪悪のように思われるけど、あえてそれが評価されるのが面白そうだと思った。90分は案外あっという間で、無に近づくというか現実から逃避できた」と、ぼーっとできた喜びを語りました。
■参加者からは「世の中こうなったらいい」
そして、大会で優勝したのはダンスカンパニーとして世界各国を回っているという3人組。参加してみて「(大会中)周りがセカセカ動いていて、自分たちも普段はあっちの世界にいるが、こういうふうに集団でぼーっとすると、ぼーっとしてもいいっていう空気を作れるんだなと思って、もうちょっと世の中こうなったらいいかも」と感想を語りました。
■大会の発起人・ウップス・ヤン「忙しい環境が不安要素となる」
発起人であるビジュアルデザイナーのウップス・ヤンさんに、大会を開催した思いをうかがいました。「私自身長い間、スランプに陥って、何もできなくなった時に感じた不安な気持ちが、私の周りの多くの人たちが、あまりにも忙しく生きているからだと気づきました。そして、忙しい人たちも、実は私のように忙しい環境に囲まれているから、お互いにとって不安な要素となるのだと思いました。だから、一度、同じ時間、同じ場所で、みんなでぼーっとしてみるのがいいのではと考え、この大会を開催しました」と、自身の経験が大会開催のきっかけになったことを明かし「気楽にぼーっとすることを楽しんでもらえればいいな」と話しました。