大谷翔平、’23世界一軍団撃ち16号 日本選手初トリプルスリーへチーム68戦目早くも〝折り返し〟
【ロサンゼルス11日(日本時間12日)=丹羽美佳子通信員】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手(29)がレンジャーズ戦に「2番・DH」で先発し、六回に5試合ぶりの16号2ランを放った。この一発をきっかけに打線は2021年以来の1イニング4本塁打をマークし、昨季のワールドシリーズ覇者に15-2で大勝。大谷は一回に二盗を決めて15盗塁に達し、日本選手初となる「トリプルスリー」(打率3割、30本塁打、30盗塁)に向け、早くも折り返し地点を通過した。 ロサンゼルスの夜空に大谷が満開の花火を打ち上げた。7―1の六回1死一塁。横手投げ右腕アンダーソンの92・2マイル(約148・3キロ)の直球が真ん中に吸い込まれるのを逃さなかった。右中間席へ5試合ぶりの一発となる16号2ラン。5万1416人の観衆が熱狂の渦に包まれるのとは対照的に、澄ました表情でダイヤモンドを一周した。 「甘い球を最後にしっかりといい形で打てた。その他の打席も基本的にはいい打席だった。休みを挟んで新たな気持ち。いい感触だったので継続していきたい」 この日、全米各地のスタジアムで岩手・花巻東高OBが躍動した。まずはスタンフォード大に進学した佐々木麟太郎内野手(19)がMLBドラフトリーグの試合に出場し、米国でのデビュー戦で勝ち越し2ラン。続いてブルージェイズの菊池雄星投手(32)がブルワーズ戦に先発し、5回無失点で4勝目。最後は大谷が今季のアーチで2番目に速い打球速度114・2マイル(約183・7キロ)、飛距離433フィート(約131・9メートル)の特大弾で締めくくった。 この一発が連なる火薬に次々と引火した。続く3番フリーマンがソロ、5番のT・ヘルナンデスが2ラン、8番ヘイワードが2ランと大爆発。ドジャースの1イニング4本塁打は2021年9月29日のパドレス戦の八回以来3年ぶりだ。 これで大谷は、ナ・リーグトップ18本塁打のオズナ(ブレーブス)に2本差。一回には四球で出塁して二盗に成功し、チーム68試合目で「15本塁打、15盗塁」にメジャー最速で到達した。残り94試合で本塁打は38本、盗塁は35個ペース。打率は・312とハイアベレージを維持しており、過去にメジャーで25人しか達成していない「トリプルスリー」(打率3割、30本塁打、30盗塁)を達成すれば日本選手初の快挙になる。メジャー史上6人目となる「40―40」(40本塁打、40盗塁)のラインからもかけ離れてはいない。 本塁打と3四死球で4度出塁し、1盗塁の大谷にロバーツ監督は「彼は良いポーカープレーヤー。いつも感情はあまり見せない。本塁打を打てて気分は良いだろう。四球で出塁したのも良かった。高めの球が来ればしっかり対応できている」と、一喜一憂せずプレーに集中する大谷に目を細める。