【米大統領選の開票結果は1カ月先に?】トランプ陣営の「選挙否認」工作とハリス陣営の「法律顧問団」の結成というもう一つの闘い
このほか、同じ接戦州のペンシルベニア、ミシガン、ノースカロライナ3州では先月、共和党連邦議員グループ、「共和党全国委員会」(RNC)などが、軍人を含む海外在留有権者の投票について「正確な集計が保証できない」として、これらの票を除外するための法的措置に訴える動きを見せている。
ハリス陣営は弁護士団で対抗
一方の民主党ハリス陣営では、このままでは仮に投開票日に勝利が視野に入ったとしても、その後最終決着まで延々と膠着状態が続きかねないとして、入念な対応策を講じ始めている。 その一つの動きが、著名ベテラン弁護士からなる数百人規模の大がかりな「2024大統領選挙法律顧問団」の結成だ。 「顧問団」は、長年バイデン氏の個人弁護士を務めてきたボブ・バウアー氏、20年大統領選でバイデン・チーム首席法律顧問だったダナ・レムス氏の両氏陣頭指揮の下に、現ハリス・キャンペーン首席法律顧問モーリー・リッガン氏、バイデン政権司法省顧問のヴァニタ・グッパ氏が補佐役という、そうそうたる顔ぶれとなっている。 そのうちの一人、レムス氏は今回の特別顧問チーム結成に際し、声明を発表、「我々は、接戦州における(選挙かく乱などの)あらゆるシナリオに備えるための対応策を24時間態勢で作成中であり、万全を期すために、法律スタッフのさらなる拡充、“戦力”強化に取り組んでいる」と強調した。 また、各州にも、こうした態勢を支えるための数千人規模に上る法律専門家、法律専攻の大学生らのボランティア組織が配置されているという。 しかし、共和党陣営も民主党の動きに対抗するため、専門弁護士たちの動員をかけ始めており、結局、11月大統領選が大接戦のままもつれ込んだ場合、勝敗をめぐり両陣営による激烈な法廷闘争が展開されることも予想される。
斎藤 彰