小回り利く“レッドタートル”も…能登半島地震の被災地に愛知から派遣された2台の『特殊車両』現在の状況は
2024年の元日、石川県の能登半島で起きた地震では、全国各地から救援物資や人員が送り込まれています。愛知県からは、岡崎市に配備されている特殊車両の「レッドサラマンダー」と、豊橋市の「レッドタートル」も派遣されています。 【動画で見る】小回り利く“レッドタートル”も…能登半島地震の被災地に愛知から派遣された2台の『特殊車両』現在の状況は
■全国で2台しかない特殊車両「レッドサラマンダー」
レッドサラマンダーは、全国で大阪市と岡崎市にしか配備されていない総務省消防庁の特殊車両です。
水陸両用で、瓦礫や土砂が堆積した場所でも走行できます。岡崎市は、日本のほぼ中央に位置し、各地に行きやすいという利点から配備されたということです。
地震が発生した1日の午後8時には、岡崎市消防本部から石川県に向けて出発しました。
2023年6月、台風2号に伴う大雨の際に、岡崎市小美町（おいちょう）で、乙川（おとがわ）から水が溢れ、沿いの道路で軽トラックが立ち往生し、荷台に70代の男性が取り残されました。
レッドサラマンダーは冠水した道をものともせず、すぐに軽トラックにたどり着きました。
川の水の流れもある中での危険な作業でしたが、わずか1分ほどで男性の救出を終えました。
不得手なコンディションもありますが、得意な環境では強力な支援となります。
■大型の「サラマンダー」に対して小回りの利く「亀」も
今回の能登半島地震では、豊橋市消防本部からレッドタートルも送り込まれています。
レッドサラマンダーが大型の水陸両用車であるのに対し、レッドタートルは中型の水陸両用車です。 レッドタートルは全国に6台しかない特殊車両で、レッドサラマンダー同様、救助や物資輸送などを行います。
タートルは「亀」で、陸上と水中で活動する点が似ていて、広く親しまれるようにと公募で決められました。 大型のレッドサラマンダーに比べて小回りが利くほか、スクリューが付いていて水上の機動性に優れています。
レッドタートルも2023年6月の台風2号に伴う大雨の際に、豊橋市内に派遣されました。
今回が2回目の派遣となります。 能登半島地震で現地に派遣されたこの2台について、8日時点での救援状況を聞くと、瓦礫を手作業で取り除き、倒れた家の中などに要救助者や取り残された人がいないかなど一軒一軒確認しているため、この時点では石川県輪島市で待機しているということでした。 今回派遣された理由は、津波が発生したため、稼働の可能性があったためだということです。 今後は、道路の冠水により孤立した地域での、救助活動の輸送力の強化などを期待されています。 2024年1月5日放送（9日に追加取材）
