「怖かった」東洋大アンカー・薄根大河がこぼした涙 20年連続シード権獲得の9位ゴール、来年は3位以内を目標に【箱根駅伝】
◇3日 箱根駅伝・復路 4チームの8位集団が、東京・大手町に戻ってきた。10位までの3校がシード権を獲得し、1校は予選会から出直し。その差、わずか7秒。笑ったのは8位の東京国際大、9位の東洋大、10位の帝京大だった。東洋大のアンカー・薄根大河(2年)は、鉄紺のたすきの誇りを胸に、20年連続シード権獲得のフィニッシュ地点に飛び込んだ。 ◆“山の名探偵”、決意のポスト【写真】 チームは大揺れ。2区予定の梅崎蓮主将(4年)がアキレス腱(けん)を痛めて当日変更となり、往路の顔触れが大きく変わった。9位で芦ノ湖にたどり着いたが、不安だった。 先輩の力を借りる気持ちで、薄根は手袋に「4年生の為に」とマジック書き。当日には4年生に名前を記してもらった。梅崎主将は中継所まで付き添ってくれた。「勝ってこいよ」。スタート直前の励ましで「4年生が待ってると思い、ラストで絞り出して競り勝てた」。背中を押してもらい、攻めの走りを貫いた。 重圧と向き合う23キロだった。ゴール後、酒井俊幸監督と握手すると涙がこぼれた。「怖かった」とぽつり。「今度は途中でスパートできるように」と宿題をもらって「はい!」。来年の目標に3位以内を掲げた。 わずかに及ばなかったのは順大。昨年10月の予選会で1秒差で最後の箱根切符をつかんだが、本番では残酷な結末が待っていた。長門俊介監督は「喜びと悔しさ。一秒一秒に重みを感じた。成長につながる大会になった」。はい上がる糧にする。
中日スポーツ