犠牲になった松尾眞輝くんと侑城くん

　自宅を放火して小学生の兄弟2人を殺害した罪に問われた伯父に、一審の神戸地裁姫路支部が言い渡した懲役30年の判決を不服として、きょう28日、検察側が控訴しました。遺族は「当然だと思っている。2審で真実を明らかにしてほしい」と話しています。 【画像を見る】どんな裁判だった？「幸せだった家族を返してほしい」小学生の兄弟は同居伯父の放火で犠牲に… 　一審判決によりますと、無職の松尾留与被告（53）は2021年11月、兵庫県稲美町の自宅にガソリンをまいて火をつけ、同居していた甥の松尾眞輝くん（当時7）と侑城くん（当時12）を殺害しました。 　この事件をめぐる裁判では、検察側が死刑求刑した一方、弁護側は軽度の知的障がいにより適切な判断ができなかったとして死刑は相当ではないと主張していました。

判決は「結果は極めて重大」「同居親族間のトラブル」

松尾留与被告

　2月15日の判決で神戸地裁姫路支部は、「2人の幼い命を奪ったという結果は極めて重大」と指摘。一方で「利欲目的などとは異なる同居親族間のトラブルで死刑の選択がやむを得ないと言えるような事案ではない。問題解決能力が低く、軽度の知的障がいの影響も認められる」として懲役30年の判決を言い渡していました。

遺族「何の罪もない子どもたちの無念を晴らせない」

　一審判決のあと、亡くなった子供たちの両親は、「何の落ち度もない2人を、放火という残虐な手段で殺害したにもかかわらず、30年という有期刑。それに対して本当に納得いきません」と検察側に控訴するよう求めていました。 　28日、検察側の控訴を聞いた遺族は、「当然だと思っている。命をもって償ってもらわないと何の罪もない子どもたちの無念を晴らせない。2審で真実を明らかにしてほしい」と話していました。