【MLB】レッズ・インディア&ウィーマーとロイヤルズ・シンガーのトレードが成立 主力放出で補強ポイントに対応
日本時間11月23日、レッズとロイヤルズは両チームの間でトレードが成立したことを発表した。かねてから「ジ・アスレチック」のC・トレント・ローゼンクランス記者とケン・ローゼンタール記者が報じていたとおり、レッズが先発右腕ブレイディ・シンガー、ロイヤルズが二塁手ジョナサン・インディアを獲得。また、ロイヤルズは25歳の若手外野手ジョーイ・ウィーマーも同時に獲得し、2対1のトレードとなっている。日本時間17日の同紙記事では「成立が近いわけではない」とされていたこのトレードだが、両チームの思惑が一致し高速決着となった。 レッズが獲得したシンガーは現在28歳。今季32試合に先発して9勝13敗と負け越したものの、179回2/3を投げて防御率3.71と安定感のある投球で試合を作り、ローテーションを守り切った。また、シンガーは毎年ゴロアウト数がフライアウト数を大きく上回っていることから、外野が狭く本塁打が出やすいレッズの本拠地グレート・アメリカン・ボールパークにフィットすることが期待されたものと思われる。 一方ロイヤルズが獲得したインディアは現在27歳。2021年にデビューし、打率.269、21本塁打、69打点、OPS.835の好成績で新人王に輝くと、以降も同年ほどの数字ではないものの、選球眼を武器に安定した成績を残している。また、二塁手として昨年までは守備指標OAAが低迷していたものの、今季は平均程度まで改善。ロイヤルズはデビュー年に苦戦したボビー・ウィットJr.の指標を大きく向上させるなど内野守備に定評があるだけに、ディフェンス面をさらに伸ばすことができれば心強い戦力となるはずだ。 同時にロイヤルズが獲得したウィーマーは現在25歳。2023年にブリュワーズでデビューし、フランキー・モンタスとのトレードで今年7月にレッズに加入していた。通算成績は2シーズン153試合で打率.201、13本塁打、OPS.628と苦戦しているものの、マイナーでは通算324試合で52本塁打を放っており、71盗塁の機動力も魅力。さらに中堅を中心に3ポジションを守る外野守備では2023年にトップクラスの指標を残しており、打撃が開花すればレギュラー争いに割って入れるはずだ。 レッズは今季故障で全休していた若手内野手のマット・マクレーンがすでに実戦復帰しており、遊撃手にはエリー・デラクルーズがいるため二遊間はすでに盤石。一方のロイヤルズはコール・レーガンスやセス・ルーゴの活躍で先発陣が比較的安定しており、野手陣のアップグレードが必要な状況だったため、お互いの需要が噛み合う形となった。ともに若手のスターを抱え躍進を狙うチームだけに、新加入となった中堅選手への期待も高く、シーズンでの活躍が注目される。